全35話

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洪武というのは明の初代皇帝・朱元璋が国を治めてた頃の元号。案は事件、事案、案件の意味。
――元朝を倒し明朝を建てた朱元璋。貧しい農民出身の彼は汚職官吏こそが世を乱す元凶であると考え、朝臣の前で今後一切の汚職は有無を言わさず一律に死刑に処すと宣言。また官吏の派手な暮らしは農民の不満を惹き起こすとして厳に慎むよう命じた。
ところがある日朱元璋がお忍びで街へ視察に出掛けた所、高官らが妓女を乗せた"花船"で飲み食いして遊んでいるという噂を耳にする。市民らはその高い身分の官吏を恐れ通報も諦め、ただ不満ばかりを溜め込んでいる様子だ。朱元璋はわずかな供だけを連れ、大商人のふりをして花船に乗り込む…――
歴史ものではなく、楊馬林という作家の小説「朱元璋懲貪」(貪は貪官(汚職官吏)の意)を基にしたフィクション。勧善懲悪サスペンス。貧民出身ゆえに利を貪る汚職官吏を何よりも嫌悪する朱元璋が、新時代にも狡猾にのさばる悪徳代官を罰していくという物語。小説の原題を用いなかったのにはちゃんと理由があって、最初は朱元璋を主人公にして物語が始まるけど、事件ごとに中心人物がバトンタッチしていくので、朱元璋だけに注目するわけではない"洪武時代の事件"という風なタイトルをつけたのだろう。
ひとつの事件は数話と短いものから8話くらいある長いものまで様々。しかし汚職の手法がもう本当に凄まじくて…こんなに次々とあの手この手と狡猾で周到な手口で追い込まれたらどんなに清廉潔白な人でも嵌められるっていうか…結局は正義とか真実とは無関係のものが人の心を操作してるというか…政治の世界、社会の仕組みってオソロシイってこと!!悪人は悪人らしく描かれててわかりやすいけど、その悪が世の中でまかり通ってしまう過程をも描いててリアルで末恐ろしい。
これもまた先が気になって仕方ないというものではなく一話一話じっくり見て行くタイプの作品。ミステリのHow done itのように、悪は初めから分かっているけどそれをどうやって追及していくかが物語の見どころ。証拠をつかむって難しい。そして悪人は決まって賢い。その賢さを他に使えんのか(´Д`;)
朱元璋役のリー・リーチュン(李立群)さんが本当に良い味出してて、皮肉たっぷりに責める喋り方とか特徴的。この人怒ってる役が似合うのよw 実際は朱元璋がこんなデキた人間じゃなかろうとは思うけど、トップならではの苦悩も滲ませた貫録のお芝居。
完全無欠の美女ヤン・ミー(楊冪)もゲスト的に出演。本当にちょびっとしか出てこなかったけど存在感は凄い。他の女優さんも中の上くらいの美人ばかり。
とはいえ陰謀ものらしく、もっぱら活躍するのは中年男性のベテラン勢ら。ゲスト出演のジェフ・バオ(保剣鋒)、フー・ダーロン(富大龍)といったハンサムの他は、見た目はそんなパッとしないけどその芝居にうならされる名優ばかり。特に、信念を貫く真っ直ぐすぎな知事・道同を演じてたリウ・ダーカイ(劉徳凱)さんが素晴らしかった!あと悪役だけど馮知遠を演じてたツァオ・コーナン(曹克難)さんが、役回りは古典的なずる賢い商人だけど妙に味わい深いキャラになっててなぁんか好き。
物語は大団円が待っているというものでもなくとりあえず終了という形で、まだ続編も出て来そうな雰囲気もあり。サスペンス、ミステリの連作好きにオススメです!
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(2016.12.8追記)
主な登場人物
朱元璋明初代皇帝。貧しい牛飼いから皇帝に上りつめる。過去に出家し物乞い同然の生活をしていたことから僧、坊主と呼ばれると怒る。幼名は重八。
韓宜可民間の書生だったが街に視察に来ていた皇帝にその洞察力を買われ監察御史に取り立てられる。皇帝の手足となって官吏の不正を暴き出していく。
朱標皇太子。皇帝自ら帝王学を教えるため常に傍に置いている。歳の近い韓宜可とも仲が良いようだ。だがこれからという時に急逝したため終盤は出てこない。(彼の息子の朱允炆が後を継ぐ。)
[第1集~第5集]
鄭士元工部の不正を告発し皇帝に監察御史に取り立てられる。法と規律を厳格に執行することを重んじる男。
朱桓朱元璋の甥(実兄の息子)。その地位をカサに着てやりたい放題。
[第5集~第13集]
秦升若くして欽差大臣に任命された男。父の秦良はかつて朱元璋と共に革命を戦った同志。
蔡玄蘇州の知府。なかなか皇帝の目の行き届かない地方都市においてせっせと私腹を肥やしている。
[第13集~第20集]
開済刑部尚書。部下が収賄し囚人を逃がしていた事を知り、監督責任を問われる事を恐れ事件をもみ消そうと図る。
[第20集~第26集]
道同広東の知県。その温和で誠実な性格から住民に広く慕われている。
朱亮祖広東一帯を守る将軍。その統率力には皇帝も信頼を置いており南征も果たす。知県ですら彼には逆らえない。
[第26集~第35集]
欧陽倫科挙を首席で通り、皇帝の娘・安慶公主に見初められ婿入りする。だがその夫婦生活は、嫉妬深い公主に全てを束縛される不自由なものであった。
馮知遠大商人。実は裏で政府が禁じている茶や馬の売買を行っている。











