容疑者Xの献身 | あさひのブログ
「嫌疑人X的献身」(2017年 邦題「容疑者Xの献身」 監督/蘇有朋 主演/王凱、張魯一、林心如)
112分


原作は日本の作家・東野圭吾が直木賞を受賞した同名小説。日本でもすでに映画化されている。

――河川敷で死体が発見された。遺体は男性で首を絞められて殺されたようだ。顎から下は砕かれ脱がされた衣服と手足の指が焼かれていた。近くに転がっていたパンクしたレンタサイクルの借り主である傅堅という住所不定42歳男性が被害者だと判明した。
容疑者の一人として前妻の陳婧が挙げられた。事件を担当する刑事の羅淼は陳婧のアリバイを確認しに行くが、彼女は事件当日娘と映画へ行ったといってチケットを差し出した。羅淼は帰ろうとするがその時すれ違った隣の部屋の男に不審を抱き声をかける。男は数学教師の石泓。被害者の写真を見せるが見覚えがないと言う。隣の陳婧親子とも特に馴染みではないと言う。
羅淼は親友で警察学校の物理学教授の唐川の元を訪れる。彼は最先端の物理化学を用いた犯罪を研究しているのだ。羅淼が新聞にも載っていた河川敷の死体事件を担当していると知った唐川はその進捗を尋ねるが、容疑者の隣人が石泓だと知り驚く。石泓は彼の中学の同級生で、暇さえあれば数学の問題を解いてるような変人だった。だが物理好きの唐川とは気が合いよく才を競って遊んだものだった。懐かしい名を聞いた唐川は住所を教えてもらい石泓に会いに行く――

[ここからネタバレ-----
陳婧を疑っている羅淼はさらに裏付け捜査をするが彼女のアリバイに疑う余地がなかった。しかも大の男の首を絞めたり運んだりというのを女一人ができるわけがない。そこで気になった石泓を調べてみると彼は毎朝陳婧の働くファストフード店で朝食を購入していた、手助けする気にならないとは言えないだろう。その話を聞いた唐川は、彼はそんな種類の人間じゃないと笑う。
だが数日後唐川は羅淼に捜査資料を見たいと言って来た。急に関心を持つようになったその訳を訊くと、唐川は先日石泓に会った時に気づいたのだという。石泓は唐川に「いつまでも若々しくて羨ましいよ。」と言った。彼は外見などを気にする人間ではなかったはずだ…。

石泓はあの夜、隣の部屋に傅堅がやってきて母子に暴力を振るい陳婧らが悲鳴を上げているのを聞いていた。陳婧は暴力を振るう傅堅から娘を守るためにとっさにアイロンのコードで彼の首を絞めたのだった。傅堅が動かなくなり、恐ろしくなった陳婧は自首しようとするが、そこへ石泓がやってきた…。

事件以来警察が何度も取り調べに来たが何も変わったことは聞かれなかった。陳婧親子は理由もなく助けてくれた石泓に感謝して次第に話しかけてきたり距離が縮まった。だがある日陳婧が旧友の男性とレストランで食事しているのを見た石泓は、彼女宛てに匿名の脅迫状を出すようになった。陳婧は本当の事は言えなかったがストーカーされていると警察に訴え、警察は彼女と彼女の娘を保護するように。
そんなある日、石泓は娘を狙うと脅迫状を出した。陳婧が警察に助けを求め羅淼が娘の保護へ向かう。彼女は無事だった。だが実は石泓の狙いは娘ではなく、唐川だった。石泓は車で走行する唐川を襲い、現行犯で逮捕され、その後河川敷の事件の主犯であると白状した。陳婧への恋慕がその動機だった。

事件は解決した。が、唐川は何かがひっかかる。そしてある可能性に気づいた。現場周辺を再度調査する。
留置所の石泓に面会に行った唐川は事件の真相を彼に確かめる。河川敷の遺体は傅堅ではなかった、外見がおおよそ似ている、あの周辺にたむろすホームレスの一人だったのだ。そもそも事件は遺体が発見された前日ではなく、前々日に起こっていたのだ。だから陳婧母子には鉄壁のアリバイがある。石泓はホームレスを殺して傅堅に見せかけ、さらに自分が罪を負うことで陳婧を救おうとしていたのだ!
真実を指摘され、しかし石泓は力なく笑う。もう事件は終わっている、俺の勝ちだ、と。だが彼が連行されて行くその目の前に、羅淼に連れられた陳婧が現れた。彼女は跪くと、私が殺したんですと泣き崩れた…。

三か月後、裁判所に来ていた唐川はエレベーターで偶然石泓に遭った。唐川は偶然にも彼が得意だった数学の問題を手にしていた。石泓はそれを見て「難しいだろう?」と言う。「ああ。」唐川はそう答えた。(終)
-----ここまで]

えーっと、一本の映画として脚本はすっきりしててよくできてる。
原作読んだのが10年くらい前なのでこんな話だったかなと、おぼろげだけどトリックはほぼそのままじゃないかな。でもラストはこんな終わり方ではなかったはず。

東野圭吾作品の面白さはミステリを手法にして人間性を深く描いているところだけど、ちゃんとそこを汲んだ作品になってて、主役の刑事と重要参考人の友情とか、重要参考人の恋愛感情だとかをはっきりわかるように描いてるのが良かったな。もっと謎解きをメインにって思う人にとっては駄作だろけど。
ミステリとしては点は低いかもしれないけど人間ドラマとしては高いと思う。

一応唐川が原作の湯川博士、日本では福山雅治が演じた主人公なんだけど、この作品の唐川、影薄すぎ。何の印象にも残らなかった。前半の刑事役は羅淼で、彼の方がベタな刑事を演じてるのもあって。
とにかくこの作品を一人で引っ張ってたのが石泓役のチャン・ルーイー(張魯一)。彼のお芝居がやたら真に迫ってるわけよ。正直原作のイメージから石泓はもっと小太りのハゲみたいな感じが良かったんだけど、彼みたいな土台イケメンでもイケてない感が出せるってトコがまず凄いw 
あとはヒロインのルビー・リン(林心如)かな。ベタだけど。ちゃんとおばちゃんぽくなってた。

東野圭吾作品は中国でもすごく人気あっていろいろドラマ化されてるみたいだけど、日本に入って来ることがない(既に日本でドラマ化されてる)ので観る機会がないのは残念。


YOUKU

原作の小説。



日本の映画化作品。(観てないけど)