再生の朝に | あさひのブログ
なんとなくで借りてみた、シリアスっぽい現代劇。

「再生の朝に」(2009年 原題「透析/JUDGE」 監督/リウ・ジエ 主演/ニー・ターホン)
98分
再生の朝に-ある裁判官の選択- [DVD]/ニー・ダーホン

¥4,104
Amazon.co.jp


――1997年の中国。裁判官のティエンはひき逃げ事件で一人娘を失う。警察は司法機関に対して恨みを持つ者による意図的な犯行ではないかと考える。ティエンの妻は情緒不安定になり夫婦の関係にも亀裂が入り出した。
自動車を二台窃盗し捕まった青年チウの裁判を受け持ったティエン。現行法では死刑だが、まもなく施行される新刑法では明らかに極刑には相当しない。若い裁判官はあとひと月もしたら死刑にならないのに今だと死刑になるのはおかしいのではと言うが、ティエンらベテラン裁判官は、法律で定めている以上粛々と従うまでだと言い、そしてチウには死刑判決が下された。チウは上告し、続けて拘留される。――

[ここからネタバレ---------
大企業の社長リーの元に、待ち望んでいた腎臓移植提供者が現れたとの一報が。だが翌日、移植にストップがかかったと知らされる。提供を申し出たのは死刑囚のチウ。第二審での減刑を狙うためだ。だが現行法では死刑囚の臓器提供の可否の規定はなく、手術に関わり逃亡の危険など安全面を考えると困難なため裁判所が中止させたのだ。
リーの弁護士は、二審でもチウが死刑となり刑が執行されたなら、死体からの臓器提供は法律的に問題ないといい、チウの家族を説得し、チウにはもし死刑となっても社長が家族に金を支払うので親孝行ができるといって誓約書をとる。チウに面会したリー社長の妻は、腎臓をもらうために死刑が執行されるようだと葛藤する。

ティエンが犬を無許可で飼育していたことがばれて警察がやってきて犬は没収されそうになる。娘を失ったばかりの今、妻にはこの犬だけが心の拠り所。ティエンは明日許可をとるので待ってくれと懇願するが、裁判官なら法を順守しろと突きつけられる。だが犬を奪われ泣き叫ぶ妻の姿にいたたまれずついに暴力沙汰を起こしてしまった。
上司がなんとか事件を丸く収めてくれたが、ティエンは法律の名のもとに事情も心情も察してくれない警察を恨む気持ちが、今まで自分が法に従い粛々と下して来た判決を受けた側の気持ちであることに気づく。

チウの死刑執行の日。ティエンはチウが死後に腎臓提供することで彼の親に金が支払われるということを知る。
チウに銃口が向けられ死刑が執行されるというその時、ティエンは独断で中止させた。死刑が確定したのは9月だが、今日10月は新刑法の適用になる、チウは新刑法では死刑にはならない、このケースは上に報告して指示を仰ぐべきだと主張する。
チウの刑執行は保留され、ティエンは上司からひどく叱られる。

後日、チウの量刑は新刑法に照らして再審議されることになった。免職を覚悟していたティエンだが彼は始末書を書くだけで済んだ。人の命をひとつ救った、自身の判断は間違ってなかったことに心が晴れる。
帰宅すると妻が病院へ行ってきたと言う。そして医者から、まだ子供が産める体だと言われたと。(終)

-------ここまで]


シリアスもシリアス、社会派ドラマ。中国の事情を知らないので外国人としては「そうなんだー」という面が多々あって物語とは別に中国の文化というか制度みたいなのも興味深いものがあった。一人っ子政策だからみんな我が子を大切に大切にしてる、犬を飼うのは許可制、裁判官に個人的に会って情状酌量や厳罰を訴える(収賄!?)とか、死刑は確定したら一週間以内(!!)に執行とか…。

物語自体は本当に短くて大きな事件が動いたりするものでもない。ただ主人公の裁判官やその妻、受刑者、移植を待つ社長夫妻それぞれの心の葛藤をじっくりじっくり描いてて。台詞はほとんどなくその中で心情を描き上げる手法が、個人的には好き。食事のシーンが毎回少しずつ変わっていくことで夫婦の関係を現わしているような所とか。
ただ、テーマが弱いというのか、結局最後それでよかったの?というモヤモヤが残るのが微妙。でも決して、社会問題として考えさせるというテーマではないよなぁ。この映画でどういう心情を訴えたかったのか、モヤモヤする…。
邦題はちょっと意味わからん。さらに原題も微妙。透析は腎臓移植を待つ社長を意味するにしては弱いし、真実がにじみ現れ出てくるみたいな意味だとしても、そうかな?という気が。

"芝居"を全く感じさせないリアルな映画。中国の映画にこんなのもあるんだーとちょっと驚き。とてもアジア映画。


TSUTAYA DISCAS
2枚ずつしか借りられない。そしてひと月に4枚借りねば損…。
8勝6敗3引分け。




長いものに巻かれろ