ドラマでお勉強-新版・水滸伝 #7 | あさひのブログ
「(新版)水滸伝」第十五集「智取生辰綱」33分あたりから。
かんかん照りの中、楊志率いる生辰綱(誕生祝いの品の運搬隊)は黄泥岡に差し掛かる。盗賊が出没するこの地域をさっさと通り過ぎたい楊志だが運搬兵達は暑さに耐えられず勝手に木陰で休み始めた。楊志は怒って兵達を叩く。
そこへ数台の荷車を引いた商人らがやってきた。楊志は剣を抜いて商人らの前に立ちはだかる。その商人とはナツメ売りに扮した晁蓋ら七人であった。

* * * * *


「あなたは誰ですか、なぜ我々の行く道を阻むのです?」
「俺がちょうどお前に聞こうと思ったところだ、お前達はどこから来てどこへ行くのだ?」
「我々兄弟七人は濠州から来ました。我々は収穫した荷車何台分かのナツメを東京へ行って販売するつもりなのです。荷車には何も金になるようなものはありませんし、我々も金銀を身に着けてはいません。大王さまがもしこの話が信用できないとおっしゃるなら、荷車を調べてもかまいませんよ。わたくしどものすることは小商いですから、あなたさまの目にとまるようなものはありません。」
「俺は通りがかりを切るような山賊ではない。俺はお前達と一緒だ。この十幾つの荷物を担いで東京へ運んで販売するのだ。人が来るのを見て、悪人だと思って調べに進み出てきたのだ。」


「我々兄弟はずっとこの辺は強盗が横行してると聞いてたので、今さっきあなたを見て、我々兄弟の幾人かは怯えて胆をつぶしましたよ。」
「怯えて胆をつぶした?俺にはそうは見えないが。俺にはむしろお前は強盗に遭遇しても平然と笑って話せると見えるが。お前達は大きい路を行かずに進路を変えてこんな林の中に入ってきて何をする気だ?」
「この男(あんた)のいう事は全く理にかなってない。この林はあんた達の家の営業するところじゃないだろう、なぜあんた達はそこで涼んで暑さをしのいでよくて、なぜ俺達はだめなんだ?」
「(劉唐に向かって)無茶をいうんじゃない。」
「弟はがさつなもので(すみません)。(あなた達)勇士がここで休んでおられるように、我らはこの丘の上の方へ上ってこの熱気をしのごうとしたまでです。我々兄弟の幾人かとちょっと相談して、どのみち七人にはこの数台のナツメの荷車以外いいものもないし、おそらく悪人も我々に危害を加えないでしょう、なのでこの林の中でちょっと休憩しようと相談して決めたのです。空が暗くなって熱気が消えたらすぐ行きますので、勇士どの、どうかちょっと都合つけてください。」
 楊志は車の積荷を検め本当にナツメが積まれていることを確認する。
「外へ出掛ければ用心するのは当然だ。君らの勝手にすればいい。」
「ありがとうございます。よしよし、全部の荷車(を引く驢馬)を繋ごう。」


「なんだ(ここを)通り過ぎる商人だったのか。」
「楊制使は賊がいると言ったのに、なんで賊を殺さないんだ(賊じゃなかったじゃないか)。」
「悪人だと思ったら、ナツメ売りの一団だったのか。」
 安堵した運搬兵らは楊志にあてつけるように笑う。
「何もよかったことはない、お前らはまだ揉め事を起こそうというのではあるまいな(※)。さしあたってはお前らをちょっと休ませてやろう。少し涼しくなったらすぐ行くぞ。」
※ナツメ売りが来る直前まで兵士達は休ませろと騒ぎ楊志と揉めていた。

遠くから歌い声が聞こえてくる。酒売りに扮した白勝である。


「熱く燃えたぎった太陽はめらめらとして火事のよう、田畑の稲も焦げて半分枯れた。農夫の心は煮えたぎった湯のよう、(なぜなら)王侯貴族の子孫らは扇を揺らして(優雅に涼んでやがるからだ)。」
 やってきた酒売りをいぶかしんで楊志とナツメ売りは互いを指し声を張り上げる。
「お前達の仲間か!?」
 それを見て酒売りもびっくりする。
「なんだお前ら仲間同士じゃないのか!おいら死ぬほどびびったじゃねぇか!」
 酒売りは樹に驢馬をつなぐ。驢馬の背には二つの桶がくくりつけられている。


「兄ちゃん、あんたのその桶の中は何が入ってるんだい?」
「これか?これはおいらン家で醸した米酒だよ。」
 酒と聞いて運搬兵らは白勝に群がる。
「お、おまえら、な、なにするつもりだ!?」
「俺があんたに話してやるよ、えらく肝っ玉の小さいやつだな(そんなにびびるなよ)。俺らは悪党強盗じゃない。まず聞くがこの酒を(驢馬に)積んでどこへ行くつもりなんだ?」
「この黄泥岡は強盗がとっても多いから、おいらすっかりひどいめに遭うかと思ったよ。この酒はおいらの村の小屋から荷車で引いてきて、道々売り歩くのさ。決まったところ(目的地)はない。」
「あんた、この酒は一桶いくらだね?」
「五貫ちょうどだ。」
「五貫ならみんなで金を持ち寄ればいい。」
「一桶買って暑さをちょっとしのごうぜ。」
 運搬兵達は大喜びで金を出しあうが楊志が棒で叩いて止めさせる。


「誰がおのれらに酒を買わせろと!?(誰が買っていいと言った!?)」
「俺達は(自分の都合で)酒を買って暑さを和らげようっていうのに、あんたは何するんだ!?」
「まだ俺達をむち打つのか?」
「このような緑林で強盗がやる手口を、お前たちは知っているか(、いや知らないだろう)。どんな偉丈夫でも一杯の麻酔薬で痺れひっくり返る、わかったか。」
「酒を仕入れるのに奴(楊志)の説く道理なんて必要ない、俺らは一桶(自分たちで)買う。俺達は人を探して(誰か選んで)ちょっと飲んでみよう、結局(本当に)痺れるのかどうか。」
 怒った楊志は再度兵達をむち打つ。
「あんたらお役人のお客さんが話してた話からすると、おいらのこの酒はやっぱり売らない方がいいようだな。(売らなければ)あんたらが飲んで酔っ払って、おいらがあんたらにそんなしびれ薬をやったなんて言われずに済む。(どうやって)売るかはおいら、売らないかもおいらが決めるんだ!」
「俺はちょうど怒りのはけ口が見つからぬ所だ。今俺がお前を殺せば、酒を売る者はいなくなり、こいつの口舌や考え(へらず口)に手間をかけられずに済む。」
 楊志は刀を抜き白勝を切ろうと構える。白勝はびっくりして逃げまどう。
「だんな、お許しください、だんなさま命ばかりはお助けを!!」

* * * * *

この強奪シーンがとにかく面白い!原作にも忠実だけどすごくハラハラさせる演出で、結末がわかっていても何度も見たくなる。さすがに長いので二回に分けました。

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