同じ景色の中にも、日々変化がある。
どうってことないできことにも、1つのドラマがあったりする。
お仕事している者として、ランチタイムは何よりの楽しみですよね!
・・・なのですが、この日は会社の課題が終わらず、コーヒーショップに駆け込みました。
すると隣に座っていた観光客と思われる中年女性が、声をかけてくださいました。
「東京の人は、お昼にもお仕事やお勉強をしているのね。」と。
そしてその女性、何だか不安そうに見受けられます。
「観光でお越しになったのですか。」
「息子に会いにきたんです、でも何だか忙しそうで・・・」
詳細は伺いませんでしたが、そのとき、先日読んだ本のことを思い出しました。
吉田修一さんの、「あの空の下で」
ANAの機内誌に連載されていたものが1冊の本になったもの。
その中に"好奇心"という章があるのですが、息子を持つ母親心が描かれています。
上京した息子が心配で様子を見に来たものの、息子のそっけない態度に腹を立ててしまい、その切ない気持ちがテーマになっています。
そのお母さんとこちらの女性が重なって見えました。
私としては、複雑な気分です。
お母さんと息子さん、両方の気持ちがわかる気がするから。
とりあえず、手元にあったメモにおすすめの観光名所やお店を書き、メッセージを残しました。
"お母様に東京の素敵なところをたくさん教えてあげてくださいね!"
お母さんを主人公にすると、「そういう時期あるわよねー、男の子ってそういうものよ。」って思ってしまうかもしれません。
でも息子さん、大変なことがあって心がいっぱいなのかもしれません。
子供のころ母親にとって息子は"ママの小さな恋人"なんだそうです。
大人になった今、息子はママのヒーローでいたいのかな、と思います。
だから辛いとき・苦しいとき、一目で全てがお見通しの母親に、そんな姿を見られたくない気持ちが、そっけない態度に出てしまう。
何かをやり遂げた姿を見てもらって、「立派になったわね。」と思ってもらえれば、ヒーローは満足です。
こちらの本、12の短編小説と6つのエッセイがあり、色んな立場からの心情が描かれています。
舞台が海外であったり、日常の小さな出来事だったり、どの話も共感できる、心が潤う1冊です。
1つ1つの話がとても短いので、読みやすいところもお勧めです。
この3連休、残念なお天気のようですが、読書の秋にはぴったりです!
温かいドリンクを片手に、心を潤すひとときはいかがでしょうか。
最後に写真のスカート、その方が褒めてくださいました。
「東京の人はとてもおしゃれね、そんな色のスカートが売っているのね。とても良く似合ってるわ。両親に感謝するのよ。」と。
こんな褒め上手のお母さんから"立派になったわね"と言われるのなら、息子さんも尚更、弱い自分を見せられませんね。
ヒーロー、がんばれ!
