Dear my friend,


あなたは今日もお元気なのでしょうか。いいえ、ほんとにあなたはとても、元気なのでしょう。


私はあなたに本当は、さようならを言いたいのです。いいえ、あなたに限らずわたくしはいつだってそうなのです。


仲良くなればなるほどに、大切であればあるほどに、私は離れたくなってくる。あなたはそういうことにとんと興味はないでしょうけれど、わたしに至ってはそうなのです。ちょうど磁石のS極とS極のように似通えばにかようほど、逃げ出したくなる。


かといってまた磁石のように違う相手と時を共にしようとも思わない。わたくしは善人の皮をかぶりながらも、実のところ孤独癖で、風来坊で、誰かを頼る無頼漢なのです。したがって、わたくしには居場所がない。あなたの前でしか、わたくしの腰かける居場所がないのです。


けれども、そうと分かっていても、私はあなたにさようならを言いに来たのです。


ええ、ほんとうにわたくしはさようならを言いたいのです。あなたと、お別れをしたい―けれども、わたくしの体は、心は、もうすっかり半分あなたのものなのです。


教会を通さずとも、宗教の枠がなくても、私はあなたの前にいて、そこでしか腰かける場所がないのです。けれどもこの体の半分はあなたのものだ。


だから、私はときどきこうして旅先から手紙を書きましょう。あなたの前においてきた、わたし自身の半身のために。わたくしの、ただ唯一の休息の場所のために。


そうすれば、あなたもいつか世界が見られるかもしれません。そこから見える景色にもう、あなたもたいくつしているでしょう?


ですから、また、手紙を送ります。その時まで、おげんきで。


Sincerely,