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 闘牛場で惨劇—。スペイン北東部アラゴン州サラゴサの闘牛場で7日、人気闘牛士ファン・ホセ・パディーヤさん(38)が、牛の角に顔面を貫かれる大事故が起きた。競技中に転倒したところに牛が突進し、あごから左目にかけて角が貫通。命はとりとめた模様だが危険な状態で、“マタドール生命”は絶望視されている。

 目を覆いたくなるような痛ましい事故だ。スペインの人気マタドール(闘牛士)が、牛との危険な闘いの中で大けがを負った。

 事故は7日午後に起こった。雄牛「マーキス」と対峙(じ)していたパディーヤさんが身をかわしながら、突進してきた牛の背に専用のやり2本を突き刺した直後だった。足をもつれさせるように転倒し、地面にうつ伏せになった。反撃に転じた牛は覆いかぶさる形になると左の角で、闘牛士の顔を攻撃。鋭い角は狙いすましたように、左耳下のあごから左目まで貫通し、顔の肉をえぐり取った。

 闘牛士はすぐに立ち上がったものの、顔面は血まみれ。地元テレビの中継映像には、手で左目を押さえている姿が映し出された。「何も見えない」と繰り返す声も拾っている。

 病院に運ばれた闘牛士は、約6時間の大手術の後、8日未明に集中治療室(ICU)へ移った。地元報道では、命はとりとめたが危険な状態が続いている。医師の見立てでは、左顔面はマヒ状態で機能が回復するかどうか微妙。左目の視力回復は絶望的で、左聴覚も失われる可能性があるという。

 パディーヤさんは、南部アンダルシア州出身。17歳でデビューしたベテラン闘牛士で、勇猛な競技スタイルから「エル・シクロン(台風)」の異名で呼ばれており、人気、実力とも国内屈指のスターだった。2001年にも競技中に首などを負傷したことがあるが、復帰していた。今回は深刻な負傷で、復帰は絶望的。スペイン中が今後の容体を注視している。

 なお同国では、動物愛護の観点などから闘牛を禁止した地方もあり、最近は競技自体の存続を危ぶむ見方もある。

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