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映画やテレビ、ゲームなど、3D対応の機器やコンテンツが次々に登場し、3D映像は身近な生活に浸透しつつあるようだ。これまでの2D映像にはなかった迫力や臨場感が魅力だが、「目の健康」という観点からは、視聴するのに注意が必要な人もいるという。日本眼科学会と日本眼科医会は、「3D映像の上手な楽しみ方」を呼び掛けている。
【図表詳細】
3D映像は、左右の目の見え方のずれ(視差)を利用した技術。人は左右の視差で立体感をとらえている。これをテレビや専用眼鏡などで疑似的に再現することで、映像が飛び出したり、奥まったりして見える仕組みだ。ただし、現実では一致するはずの目の焦点と視線が、3D映像では「焦点は画面に、視線は飛び出してきた映像に」といった違いが生じる。このピント合わせの違いが、人によっては目のリスクにつながるというのだ。
■6歳までは立体視の発達期
阪大大学院の不二門尚教授(感覚機能形成学)は、「6歳くらいまでは、物を立体的に見る力(立体視)が発達段階にある時期。通常の見方と異なる3D映像を視聴すると、一部の子どもで斜視になる可能性がある」と指摘する。目の位置が内側や外側にずれる斜視は、対象物を両方の目の中心でとらえることができず、立体的に見る力が弱くなってしまう。
3D映像を見るのに注意が必要なのは、もともと斜視になりやすい傾向を持つ子どもだ。25年ほど前の3Dブーム時には、4歳の子どもが3D映画を見た後、急に内斜視になった症例があったという。不二門教授は、「正常な子どもには、3D映像は問題ない」とした上で、「中には気を付けなくてはいけない子もいるということ。斜視の素因があるか心配な場合は、眼科でチェックを受けてほしい」と呼び掛けている。
注意が必要なのは、大人も同様だ。日常生活では問題がなくても、3D映像特有の「ピント合わせの違い」に適応する力には、個人差がある。この力が弱い人は3D映像を見ることで、目の疲れが強く残ったり、物が二つに見えるようになったりという症状が現れやすい。斜視になるケースもあるという。
不二門教授は、▽顔の前に置いた指先を近づけていったとき、10センチ以上離れた位置で指が2本に見える▽起床時や疲れたときに物が二つに見えたことがある▽左右の視力が大きく異なる—といった簡単なチェック項目を紹介。これらに当てはまる場合、眼科の受診を勧めている。
■映像酔いも起こりやすい?
また、これまでの2D映像にあったリスクにも一層の注意が必要だとするのは、神奈川歯科大附属横浜クリニックの原直人教授(眼科学)。その一つが、映像酔いだ。映像酔いは「ジェットコースターの映像を見て、足を踏ん張る」というように、視覚情報と身体感覚の不一致が影響していると考えられる。「臨場感のある3D映像では、この不一致によるストレスがさらに大きくなるのではないか」と原教授。ほかに、「ポケモンショック」で知られる光感受性発作や、片頭痛の素因を持つ人も注意してほしいという。
■快適条件を守って3Dを楽しむ
とはいえ、こうしたリスクを理由に、やみくもに3D映像を危険視する必要はない。北里大医療衛生学部講師の半田知也氏(視覚機能療法学)も、「快適視聴の条件を守れば、3D映像の視聴に医学的な問題はない」と強調する。快適視聴の条件とは、▽画面と適切な距離(50インチで2メートル)を取る▽疲れを感じたら休憩する▽視力を正しく矯正する▽6歳未満は視聴を控える—などだ。コンテンツの制作者側にも、視差0.7度未満など、安全基準に沿った映像作りが求められている。
半田氏はさらに、3D映像の技術を医療分野に応用する可能性を指摘。例えば、3Dテレビのゲームを使った弱視などの視機能訓練は、既に現場での応用を始め、好成績が得られているという。「いずれは家庭でも訓練が可能になるのではないかと期待できる」と半田氏は話している。
「この記事の著作権は医療介護CBニュースに帰属します。」
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| 3D映像と目の健康、こんな人は要注意!-眼科学会などが呼び掛け |
【図表詳細】
3D映像は、左右の目の見え方のずれ(視差)を利用した技術。人は左右の視差で立体感をとらえている。これをテレビや専用眼鏡などで疑似的に再現することで、映像が飛び出したり、奥まったりして見える仕組みだ。ただし、現実では一致するはずの目の焦点と視線が、3D映像では「焦点は画面に、視線は飛び出してきた映像に」といった違いが生じる。このピント合わせの違いが、人によっては目のリスクにつながるというのだ。
■6歳までは立体視の発達期
阪大大学院の不二門尚教授(感覚機能形成学)は、「6歳くらいまでは、物を立体的に見る力(立体視)が発達段階にある時期。通常の見方と異なる3D映像を視聴すると、一部の子どもで斜視になる可能性がある」と指摘する。目の位置が内側や外側にずれる斜視は、対象物を両方の目の中心でとらえることができず、立体的に見る力が弱くなってしまう。
3D映像を見るのに注意が必要なのは、もともと斜視になりやすい傾向を持つ子どもだ。25年ほど前の3Dブーム時には、4歳の子どもが3D映画を見た後、急に内斜視になった症例があったという。不二門教授は、「正常な子どもには、3D映像は問題ない」とした上で、「中には気を付けなくてはいけない子もいるということ。斜視の素因があるか心配な場合は、眼科でチェックを受けてほしい」と呼び掛けている。
注意が必要なのは、大人も同様だ。日常生活では問題がなくても、3D映像特有の「ピント合わせの違い」に適応する力には、個人差がある。この力が弱い人は3D映像を見ることで、目の疲れが強く残ったり、物が二つに見えるようになったりという症状が現れやすい。斜視になるケースもあるという。
不二門教授は、▽顔の前に置いた指先を近づけていったとき、10センチ以上離れた位置で指が2本に見える▽起床時や疲れたときに物が二つに見えたことがある▽左右の視力が大きく異なる—といった簡単なチェック項目を紹介。これらに当てはまる場合、眼科の受診を勧めている。
■映像酔いも起こりやすい?
また、これまでの2D映像にあったリスクにも一層の注意が必要だとするのは、神奈川歯科大附属横浜クリニックの原直人教授(眼科学)。その一つが、映像酔いだ。映像酔いは「ジェットコースターの映像を見て、足を踏ん張る」というように、視覚情報と身体感覚の不一致が影響していると考えられる。「臨場感のある3D映像では、この不一致によるストレスがさらに大きくなるのではないか」と原教授。ほかに、「ポケモンショック」で知られる光感受性発作や、片頭痛の素因を持つ人も注意してほしいという。
■快適条件を守って3Dを楽しむ
とはいえ、こうしたリスクを理由に、やみくもに3D映像を危険視する必要はない。北里大医療衛生学部講師の半田知也氏(視覚機能療法学)も、「快適視聴の条件を守れば、3D映像の視聴に医学的な問題はない」と強調する。快適視聴の条件とは、▽画面と適切な距離(50インチで2メートル)を取る▽疲れを感じたら休憩する▽視力を正しく矯正する▽6歳未満は視聴を控える—などだ。コンテンツの制作者側にも、視差0.7度未満など、安全基準に沿った映像作りが求められている。
半田氏はさらに、3D映像の技術を医療分野に応用する可能性を指摘。例えば、3Dテレビのゲームを使った弱視などの視機能訓練は、既に現場での応用を始め、好成績が得られているという。「いずれは家庭でも訓練が可能になるのではないかと期待できる」と半田氏は話している。
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