第10回 わたしの愛するベーシスト「ジミー・ハスリップ」 | ブラックミュージック系ロックバンド「Someone」のブログ

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テレキャス×335×スラップベース。ブラックなフィーリングで世界を変えます。札幌。

どうもベースのジョイです。


久しぶりの第10回はここ1年で僕がハマり狂ったベーシスト、ジミー・ハスリップです。
ジャズ・フュージョンをかじっている人なら知っている人も多いYellowjacketsの前任ベーシストです。
日本での知名度はなぜか高くないんですが、リズム隊としての堅実なリズム感とギターライクな歌心満載でパッセージの速いメロディアスなソロは必聴です。


まずはこちら。



まず驚くのはベースの違和感。
ジミーはサウスポーなのに右利きのベースをそのまま使ってるんです。
なので張ってある弦の位置が上下逆さまなんですよね。
低音弦が一番遠くにあり、高音弦が一番近くにある謎の奏法。

そんなことはさておき、テーマでは一糸乱れぬリズムでドラムにピッタリとくっついて堅実にベースとしての仕事を果たしていますね。
ファンキーでもなくスウィンギーでもなくまさに「スムース」なノリ。
ローB弦の使い方や落としどころも非常に上手く、バッキングではブリッジミュートを使ったデッドでパーカッシブな音色を使うことも多いですね。
一転してソロでは低音をほぼ捨ててハイC弦まで活用した超絶パッセージのソロを披露します。
パッセージの速さもさることながらまさに歌うように奏でられる音がもう絶品です。
フレッテッドなのにフレットレスのように聞こえるのは彼の左手のニュアンスによるものでしょう。
弾いてる顔がとんでもなく気持ち悪いこと以外は素晴らしい!


次はこちら。



超難曲Why Is ItとキャッチーなRevelation。
Why Is Itでは完全なる速弾き勝負。
この動画を見るだけで多くの方が気づきますが ジミーはかなりのペンタっ子。
これでもかというほど似たフレーズ、似た下降ラインを多用します。
どんな曲のソロでも「これ前に聞いたぞ・・・」というデジャヴに襲われます。
また音づかいではソロでもバッキングでも6度音をよく使いますね。

しかし速弾きの粒のそろい方やリズムの正確さには目を見張るものがあります。
そして顔が気持ち悪い。


近年、ハイテクベーシストがはびこる世の中です。
ジミー以上に速弾きに特化し多彩なメロディーの引き出しを持つベーシストがいることは明白です(トニー・グレイやアドリアン・フェローなど)。
しかし人間は誰しも完璧じゃない。
ジミーのベースはそれを教えてくれます。


アホみたいにワンパターンな速弾き。
アホみたいに分かりやすいペンタフレーズ。
アホみたいな顔。
でも人の心に響き、琴線に触れるメロディーを歌うジミー・ハスリップが僕は大好きです。



近年、Yellowjacketsのベーシストがジミーからジャコの息子であるフェリックス・パストリアスに代わりました。
フェリックスも素晴らしいベーシストに違いありません。
引き出しの多さやグルーヴでいえばジミーの上を行くでしょう。
しかしYellowjacketsには人間らしい、人間臭いジミーのベースがぴったりだと僕は思います。
脱退した理由としては「家族との時間を大切にしたいから」という常識人っぷりです。

ジミーよ、帰ってきてくれ!!!!