はじめての出会いを経験した後、ふたたび一人になったわたし。
ひとり、札幌の街へと歩きだす。
北海道旧本庁舎へ。

赤レンガの趣深い建物と、真っ青な空。
中にはいってみた。
大きな階段。

カモと一緒にひなたぼっこ。
この池で無駄に1時間くらいゆっくり過ごしたところで、動かないと!と思い立ち、今日の宿のある小樽へ向かうことに。
小樽への電車は、ずっと海沿いを走る。
海は、天気もよく、きらきらとしていて、のどか。
小樽の町も、その海のように穏やかでゆったりとした時間が流れるような所だった。
その日の宿は、北海道へチャリで行った友人が紹介してくれた『とまや』さん。
夫婦2人と、小さなお子さんがいる、坂の上の民家の旅人宿。
てづくりの案内用紙がかわいい。

「坂道を登ってきてください」 という案内のもと、地図を見ながら坂道をさがす。
わたしの脳内では、分かり易く大きな坂道が一本どーんとあって、そこを登ることを想像していたのだけど、
実際の小樽は、わたしの想像よりも数十倍大きいところだった!
曲がり道のどれを曲がるのかよく分からなくて、完全に道に迷ってしまう。
そこで、今朝あやちゃんから学んだ、誰にだって道を訊いちゃえスキルを初めて使うとき・・・!
道にいたおじさんに思い切って訊いてみる。
だけど、なんとおじさんもよく分からないようで、地図とか取り出して、おまけに近くのお店の中からもおじさんが出てきて、なんとか道が分かった。
小樽の人の優しさが、身に染みたとき。
そして、とまやへ向かって再び歩き出す。
・・・その道のりは、辛くきついものだった!
ものすごく急な坂道をずっとずっと登る。
重いリュックを背負っているので、汗だくで、息もきれぎれ。
うしろを振り返ってみる。
でも、一歩一歩登った末、振り向いて見た、坂道とその向こうにある家々の屋根は、この坂のてっぺんに用意されたご褒美のような景色。
ようやく着いたのだけど、予定よりすごく早く着いてしまったので、宿には誰も人がいない・・・
宿のご主人に電話をしてみたら、どうやらお昼ご飯中だったよう。 お食事中ごめんなさい。
ちょっとしてご主人が帰った来た。
ベルさんというらしい。本名だったっけ?忘れてしまったけど、旅人の間ではそう呼ばれているみたい。
気さくで優しそうな人。
そして、やっとお部屋に到着。
店員12名(2部屋の男女別ドミトリー)のこの宿、今夜はわたしひとり。
シーズン中はいっぱいになって、すごく賑やかになるんだって。 ちょっと残念に思いながらも、一人部屋を満喫。
荷物を置かせてもらって、ちょっとした手続きをして、小樽のおいしいお店や見どころを教わって、再びあの坂を下る。
すると、運河のはしっこにたどりつく。
観光用の場所ではないので、人は少なく、小さな船が何艘もとめてあった。
ベルさん曰く、この辺りが本当の小樽運河なんだって。
周りには倉庫や古い建物が立ち並んでいるけど、観光用の作られた景色よりも、何倍も深みのある場所。
観光エリアは、人でいっぱい。
そういう場所はちょっと落ち着かなかったので、路地を選んで歩く。

面白そうなお店をみつけたりも。
ガラスも有名だそうで、素敵なガラスのお店もいっぱい。
道でホタテとかも焼いて売っていて、とてもおいしそうだし楽しそう。
そうして適当に歩いていたら、何となく目指していたスパゲティ屋さん『ぐるぐる』にたどり着いた。
小さな店内には、CDが1500枚ほど飾られていて、ピアノやギターもあった。
とてもいい雰囲気。
ここの主人はもともとチャリダーで、旅の途中でここにお店を開いてしまったらしい。

終着点か、 それともまだ通過点なのか・・・
ナスのスパゲティは、最高においしかった! スパゲティでおいしいと思う事なんてめったにないのでびっくり。
とまやさんの紹介で来ました、と言ったら、ココアに浸かったアイス(表現悪い?)をつけてくれた。
お腹がみたされて、ほっと幸せなひととき。
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一日が終わろうとしている
とまやさんの居間には、今まできた旅人が置いていったのであろう、本やMDがいっぱい。
ひとつひとつに、旅の中の汗がしみこんでいるような気がした。
今までたくさんの人が来ては去り、来ては去りを繰り返していったのだろうな。
こんなお家に生まれた子供は、どんな風に育つのだろう。
わたしがデジカメで写真をとっていると、ベルさんのお子さんが寄ってきた。
「これ、ぴかってなる?ぴかってなる?」

わたしのデジカメに興味深々。 すごくかわいい。
色んな人の旅のお話を聞いてすくすくと育つのだろうな。
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その日の夜は、わたしの進路について作戦会議。
紙の時刻表を持っていたらめずらしがられ、なぜか喜ばれた。
はじめは稚内→富良野の予定だったのだけど、稚内いくなら礼文島行った方がいいよ!とベルさんに薦められ、急遽予定変更。
予約していた宿もキャンセルして。
旅は、予定を決めては行けない、ということを教わった。
そんなベルさんも、かつては旅人。 そして奥さんも。
奥さんは昔ライダーだったころの写真を見せてくれた。
始めは男のライダーさんが嫌で、誰もいないキャンプ場にぽつりとテントをはって寝ていたそう。
でも、いつのまにか慣れてしまったようで、テントがぎっしりはられた広場でも寝られるようになったらしい。
日高の野生の馬の川渡りをみたときは、もう一度みるために2日も野営したそう。
つぎ、わたしが北海道いくとしたらここに行きたいと思った。
その夜は、一日で稚内までいくのはそうとう難しいようで、遅くまで一緒に時刻表路にらめっこしながら乗り換え方法を考えてくれた。
北海道は、ほんとうに広い。

朝の小樽
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次の日の朝、リュックを背負って居間へ降りていくと、早い時間なのにベルさん家族がみんなわたしに合わせて起きてくれていた。
男の子が 「あれ! いってらっしゃい!」と言いながら、天井近くの壁を指さす。
そこには、誰か有名なバンドさんらしき人の丸い顔と、いってらっしゃい、の文字が。
みんなに見送られ、細い坂を降りていく。
一本下の道から見上げると、手をふっていてくれている。
毎日毎日が小さな旅立ちなんだな。
つづく
→次回「北海道のてっぺん、稚内へ!」
また丸一日電車に揺られ、日の暮れゆくころたどりついた稚内。
日本最北端の○○がたくさんある。
☆リンク はじめからよんでみる→『北海道ひとり旅①急に不安な出発前夜』
※この一人旅は、2008年9月、学生時代の夏休みのことです。
今更ながら、過去を振り返っております。









