岐阜歴史博物館にて開催中です。

 

 

明かりを得るための道具として全国各地で作られた提灯

 岐阜提灯 …

★ 骨(ヒゴ)が細く 典具帖と呼ばれる薄い和紙を張り

草花・風景などが描かれ繊細で優美に仕上げるための

工夫がされていると言った特徴がある。

 

★ 種類

 

 御所型

吊り下げて使用 オーソドックスな形状

 

 大内行灯

火袋の下に脚を取り付け 床などに置いて使用

明治時代半ば頃に考案され 火袋は丸型。

 

 変形行灯

ヒゴ(骨)を巻くときに張型の形を工夫することで

丸型・卵型以外の形も作ること出来 灯籠・城などと

様々な形状のものが見られるそうです。

 

岐阜提灯の創製時期は諸説あるそうですが

江戸時代後半 文献(宮川舎漫筆)上でも 岐阜提灯と呼ぶ

薄き紙に美しき細画を施した提灯が流行していると

記されていたようです。

その後 幕末から明治への混乱期は 一時的に衰退しますが

明治10年頃から再び生産が活発化

その一つのきっかけとなったのが万国博覧会

岐阜からは 提灯・和傘・陶磁器などが出品されと海外へと

紹介され 装飾用・鑑賞用として需要が広がって行きます。

 

 ヒゴ巻き

組んだ張型を巻き台に設置 回転させながらヒゴを巻いていきます。

 

 紙張り&外輪づくり

糊刷毛に糊をつけ叩くようにしてヒゴへ糊を付け提灯紙を

張ます。

化粧輪とも呼ばれ 張輪を隠すことで提灯を見栄えをより一層

美しく仕上がります。

この外輪づくりは 他の産地ではあまり見られないそうです。

 

 盛り上げ

木地(手板・上輪・下輪)の装飾技法の一つ

筆を使って胡粉を用い菊花などを描いていきます。

下の花弁が渇いてから何重にも描き重ね立体感を

表現しています。

 

大集合 !!

古くから全国各地で作られている提灯たち … と言うことで

岐阜歴史博物館が所蔵しているものが展示されていました。

 

 

岐阜提灯と共に二大生産地と言われてている

福岡県八女提灯

右から

壺型・御殿丸・住吉・屋形船(盆提灯)・二重鳥籠(盆提灯)

 

秋田県・山形県の提灯

               … と極々一部のUPです

岐阜提灯

 

                           【 あかり  鵜飼】 イサム ノグチ作

彫刻家 イサム・ノグチ氏

昭和26年(1951年) 広島へ向かう途中 鵜飼観覧のため

立ち寄った岐阜で岐阜提灯に出会います。

同地で尾関次七商店(現・株式会社オゼキ)の工場見物をし

提灯の製法や技術を応用した独創的な形状が特徴な

竹ヒゴと和紙を使った照明器具【あかり】を創作

35年かけて200種類超の作品が制作されているそうです。

 

イサム ノグチ氏は

広島の平和大橋・西平和大橋の欄干のデザインをされています

 

 

 

2021年5月 開庁となった岐阜新庁舎内にも

照明 【AKARI】が飾られています。

 

 

細いヒゴを巻き 薄い和紙を張り 草花・鳥・風景などを

描いた 岐阜提灯

和紙と竹の産地である岐阜の伝統工芸品です。

 

様々な形状や装飾に繊細さと優しさを感じられる提灯 

盆用・祭礼用など その地域ならではの数々の展示は

なかなか見る機会がないのではと楽しんできました。