温かくなってきました。
春ですね。
高い雪山がどんどん低くなって。
雨でもないのにポタポタ、ポタポタあちこちから雫が垂れる。
今日の新聞のコラムにも、「しずく」のことが書かれていた。
「点滴」というと、今ではすぐに病院のそれを思い出すけれど、
「点滴石をも穿つ」の用例のように、もともとは、「しずく、したたり、雨だれ」の意味とか。
井伏鱒二なんて、大学のときの講義以来読んだことがなかったけれど、
「点滴」という随筆があるらしい。
宿の洗面所の水道詮の水漏れのリズム
友人は一分間に40滴がを好み、
私(鱒二)は15滴を理想とする。
文中には明言されていないが友人とは太宰治のことだという。
太宰は38歳で自らの命を経ち
井伏は95歳の天寿を全うしている。
これは大学の講義でも、きいて、印象深かったのか、記憶がある。
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好み、というのは、人が人になり、生まれ、育ち、生きてきた歴史そのものなのだろう。
どうして好もしいのか、理由はわからないときもあるけれど、
理由なんて、
きっと、
たいしたことではないのだろう。
春になると、心が動く。
寒さが厳しくて、雪も多かった冬だったけれど、
いつもの冬よりも、温かく感じたのは、
いつも、私のなかに、しずくが落ちているからだろう。
好ましい塊があるからだろう。
生きてきて出会ったたくさんからの好ましいと。
そして好ましくない、の塊。
そのしずくがよくも悪くも私を潤すからだろう。
心が動くと聴きたくなる曲。
確かめたくなると聴きたくなる曲。
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「君の髪を撫でながら」
今君のその顔を眺めながらに思うよ
僕の悩み事すべて意味のない遊びなんだと
今君のその髪を撫でながらに思うよ
あらゆる不誠実なものごとはまるで子供のわがままのよう
洗われるようなこの気持ち
いつの日もなくさぬよう
愛する君の優しい目
みつめながらに思うよ
風の便りにきいたよ
罪のない子供たちが
一瞬のうちに黒い影になり
名前すらよばれぬまま
someday 過ちは 波のようだといつか言ったね
someday 愛は 荒波さえ鎮めてくれるの
今君のその声を感じながらに思うよ
なにがあってもぼくらは
この愛を信じ続けていよう
この気持ちなくさないよう
この気持ち忘れないよう
もう少し君と話していたい。