ガラパゴス諸島といえば、ダーウィンが「進化論」を誕生させた場所。

そこには、数千年前からの生物が存在をしている。その島の生物が現在絶滅の危機にあるという。

生物たちは進化を遂げ、絶滅を逃れることができるだろうか?


さて、日本、なぜ、ガラパゴスなのか?

リーマンショック後、経済環境は大きく変化した。

米国を中心とした先進国の経済に支えられ、日本は07年まで緩やかな成長を進んできた。

例えば、トヨタが北米で成功した「レクサス」ブランドを逆輸入したのもこの時期だった。

日本は、バブル崩壊やITバブル等という環境変化に対応し、進化を遂げてきたと言える。

しかし、「リーマンショック」という未曾有の大異変が襲った。

先進国中心の経営モデルから、新興国中心の経営モデルへシフトを急がなくてはならない。

だが、成功を収めた会社は少ない。


なぜか?

新興国モデルへのシフトするのに、必要な進化を遂げていない”部分”があるからだ。

TOPマネジメントの指令を受け、「事業戦略」は進化しようとしているが、その両輪である「人事戦略」が進化できていないといえる。

新興国は世界の工場から、内需拡大のニーズを捉え、日本企業は「現地でつくり、現地で売る」戦略にシフトしている。しかし、現地の人事戦略がうまくいかず、事業戦略がうまく回らない。


要は、「ヒト、モノ、カネ、ジョウホウ」の「モノやカネ、ジョウホウ」はグローバルで調達することに進化した。

しかし、「ヒト」、つまり「人事戦略」だけ未だに進化が遂げられていない”部分”なのである。


例を挙げると、

●人事制度は、未だに「年功序列」、「終身雇用」という旧来モデル

 高度経済成長期は、この仕組みが「ジャパン アズ ナンバーワン」のポジションを獲得するのには役立った 

 が、右肩上がり成長には適した制度であったが、今日、そのシステムは役割を既に終えている。

 だが、その旧来システムを海外人材に当てはめようとしている。競合はさらに進んだシステムを持っているとい

 うのに。


●優秀な人的資源の調達が、日本国内に頼っている

 世界で戦う競合は、10年前に中国や韓国を人的資源の戦略的調達先としてターゲッティングしていた。

 特にサムスンは中国ではソニーを超える人気企業であり、戦略的に中国専用の人材を育成する仕組みが既に
 整っている。

 だが、日本の人事部で中国のトップエリートを獲得し、戦力化している企業はほぼ皆無である。最近新興のIT 
 企業が乗り出しているが、大手企業は二の足を踏んでいる。現地化し、現地人をマネジメントするには、現地大 

 学のトップエリートを育てることが必要なのである。



アジアと共に繁栄をすることが、日本企業の進化の方向であることは誰もわかっている。

しかし、誰も人事戦略を進化させようとはしない。それは、日本の人事部に海外経験者が少ないことも原因のひとつだと思える。今、この人事戦略を抜本的に見直し、適切な進化を遂げた企業だけが次の10年を繁栄できるはず。


まずは、人口減少に伴う、学生が競争環境が無いまま、大学に入り、大学を出てくる。それでは、世界の競合と戦っていくだけの人的資源を国内だけでの調達では、行き詰る。

アジア全体をひとつの経済圏、人材調達市場と捉えて、人事戦略(特に採用戦略の抜本的見直し、人事制度構築のグローバル化)の進化を加速させる必要があると言える。


それが、日本がガラパゴスの生物のように絶滅しかけるのか、それとも進化し、新たな繁栄を遂げられるのか。それを左右するところまで来ている。