■紫宸殿

紫宸殿は正殿として最重要儀式が執り行われた最も格式高い建物です。

入母屋造桧皮葺・高床式宮殿建築 間口33m×奥行23m
規模の大きな建物だが装飾のない質素な造りです。
酒の一滴は大河の一滴

元来紫宸殿は内裏の一殿舎でしたが、正殿であった「大極殿」に代わり、しだいに重要行事を担うようになっていきました。

大極殿や大内裏が再建されなくなったのは財政難や朝廷の衰退が原因ですが、何より実質的な政府機関がここに存在しなくなったからでしょう。

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平安京の宮城はもともと大内裏でした。
大内裏には天皇の御在所である内裏や朝堂院などがありました。
しかし火災で焼失した際には「里内裏」と呼ばれる仮設の内裏に移転されました。

平安末期以降大内裏での再建はついに一度も果たせませんでした。
室町時代に現在の里内裏に移ってから東京遷宮まで御所の位置はずっと変わりません。

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現在見られる京都御所は幕末の1855年再建されたものですが、往時の平安京内裏の姿を甦らせています。

それまでは幕府の意向に従い古式に則らず御殿風での再建が繰り返されていたようです。
しかし王政復古の時流に押され、権威的な平安様式での再現が可能となったということでしょうか。

その後明治天皇が東幸された経緯を考えれば歴史的に絶妙なタイミングでの再建でした。
まさに古都の誇りと言える威風堂々とした姿ですね。

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左近の桜
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右近の橘
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■承明門 じょうめいもん

内裏内郭12門のうち南面中央にある瓦葺切妻屋根の12脚門。
南側に内裏外郭の建礼門があります。
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■月華門

内裏を構成する西側の内閤門。
月華門の反対(東側)にあるのは日華門。
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南庭回廊
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■清涼殿

古式に則り1855年再建。入母屋造桧皮葺屋根・寝殿造
本来は天皇の居所兼執務所であったが次第に重要儀式が行われる建物へと変遷した。
様々な用途の部屋割りが細かく区切られた間取りとなっている。
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建物前に漢竹・呉竹がある。
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御拝道廊下・東庭
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檜皮葺屋根の実物模型
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■小御所

1958年再建。書院造・寝殿造の融合です。
御元服御殿とも呼ばれます。
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■御池庭 おいけにわ

水面に島・橋を配した回遊式庭園です。
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欅橋
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■御内庭 ごないてい

御常御殿東側の寝殿造庭園。
遣水形式をとり入れ「流れの庭」がある。
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竜泉の庭
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■御涼所 おすずみしょ

窓が多く暑さをしのぐ。
東に「竜泉の庭」がある。
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■御常御殿 おつねごてん

寝殿造に書院造を採り入れ実用的な造りで15部屋からなる天皇の御在所です。
御所の中で最も大きな建物になります。
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紅白梅のある南側の「壺庭」。
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南御縁座敷の襖絵。
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■御三間 おみま

宮中御内儀の行事など。
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御常御殿(左)と御三間(右)
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■皇后宮常御殿

桧皮葺書院造。
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■若宮御殿 姫宮御殿
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■飛香舎 ひぎょうしゃ

入母屋造桧皮葺・寝殿造
女御・中宮の在所。後宮五舎のひとつ。
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                             1998年あたりに撮影



戦時中は建物疎開で御所も解体保存されたそうです。
人々の思いや宿命を背負った建物は確かにあります。
過去を記録することによって人間は進歩してきました。
豊富な過去を後世に受け継ぐことが進歩や幸福への可能性を繋げるものと信じたいです。