ずっとずっと、私は、何者かにならねばならないと思い続け、あがき、頑張り、迷走し。


焦りと、苛立ちと、苦しみと、少しの高揚と興奮による幸福感。


絶えず、挑み、もがき続けてきた。


長い人生ずっと。



いろいろなことにチャレンジした。

そして、挫折した。

挫折にも至らないくらい、小さなポシャりも数々だった。


これが天職なんだ!

これが私の道なんだ!


思い込んだら、夢中になった。


でも、中心の中心で、自分を、自分の信念を信じることができなかった。


気づけば、年ばかり重ね、人生折り返しも過ぎ。


今になって、ようやく分かったことがある。


『私は、何者にもなる必要はないのだ』


何者かにならねばならないというエゴを捨てよう。


もう、いい。

私は、私のままでいい。

空を搔くような渇望は、もう捨てていい。


ただ、日々を、当たり前の1日を、丁寧に重ねていくだけでいい。


そして、今、何者かにならねばならないという幻想から、ようやく解き放たれたと、感じている。


それは諦めなのかもしれないし、気づきなのかもしれないと、思うのです。


自分を解放するとは、なんなのでしょうね。