遺してくれた。 | ばあばの独り言。
歳をとるということは

今まで経験したことのない

様々なことを経験する。

悲しいこと

辛いこと

自分一人では

到底クリア出来ないこと。

今日お通夜

明日、

葬儀。

二十歳で結婚したお兄ちゃん。

子供三人。

孫六人。

東京や大阪に行った孫が

皆集まって

お別れが出来るように

ずっと

ずっと

家にいて

皆を待てるように。

兄嫁は

農閑期で

家で

三ヶ月あまり介護してきた。

子供たちが独立してからは

友達夫婦と

積み立てしながら

あちこち旅行したらしい。

早くに結婚したから

金婚式の時には

七十歳だから

どうってことないね。

そんな話もしていたらしい。

まさか

不治の病にかかるとは。

本人は自分の病気を

しっかり受け止め

最期

家で

二人で過ごしていた時間に

これから

一人になる嫁に

お兄ちゃんが伝えたいことを

色々伝えたらしく

気をつけないといけないことも

しっかり言われたよ。

と笑っていた。

誰のことも気遣う

優しい言葉がかけられるお兄ちゃん。

とうとう

本当の

仏様になるんだね。

毎年の健診で

要チェックがあった。

受診したが

前の年と変化が無いと

多分

レントゲン単純撮影だけの

診断と思われる。

父か母の法事の時に

あまりに変な咳をするから

専門医に行けと

伝えた時には

既に中期の病状で

心臓への負担もあったとか。

自分のことで

周りに迷惑や心配をかけることが

一番嫌なことだった。

そんなお兄ちゃんを

失って

たった一人。

私には

相談出来る人も

もういない。

優しい言葉をかけてくれる人も

もういない。

私には

何も頼りになる人が

本当にいなくなってしまった。

離れていても

お兄ちゃんがいるだけで

心が強かった。

これからは

お兄ちゃんが愛した人を

少しでも

気にかけて

お兄ちゃんの代わりに

優しい言葉をかけてあげられる

妹になるね。

優しいお兄ちゃんが

私に遺してくれた

優しい気持ちを

少しでも

皆に返せるように。

病院にお見舞いに行った時

「すまん、兄妹というだけで

おまえには何もしてやれなかった」

涙ながらに

私に謝ったお兄ちゃん。

そんなこと無い

そんなこと無いよ

お兄ちゃんの優しさは

しっかり

しっかり

もらったよ。

遺してくれたものは

心に

ずっと消えないよ。