10月6日に、大阪府のとあるセブンイレブンで強盗刺殺事件が起きました。3人組の少年が、かごにビール等を入れ、逃走した後、それを追いかけたコンビニ店員が逆に刺殺されたという痛ましい事件です。


この事件の背景に迫った報道番組で、「かごダッシュ!」なる現象について取り上げていました。この「かごダッシュ!」なる手口は、かごに商品を詰め込み、店員の目を盗んだ中でダッシュで逃走するというもので、全国のコンビニで被害が出ているとのことです。


なぜ、こういった明らかに悪い行為が公然と行われているのでしょうか?


人は、悪に対して、大きく分けて3種類の行動パターンが考えられます。


①悪を悪と知って、悪を避ける人間


②悪を悪と知って、悪を行う人間


③悪を悪と思えず、悪を行う人間


悪を認知できるのか、できないのか、が第一関門です。そして、次に悪を行うのか、行わないのか、が第二関門になります。


①は、悪を悪と認識して、その悪をしないように努力して避けようとする人です。こういう人は、悪というものがどれだけ罪なのかという事を明確に体得しており、それが故に積極的に悪しき行為をしないように行動しようとします。


例えば、自分が酒に弱く、酒癖が悪いと知っている人がいるとします。自分の欠点を知り、その欠点がでないように、飲み会に出るのを極力避けたり、参加してもアルコールを口にしなければ、酒癖の悪さを出さずに済みます。こういう人は、悪を悪と知って悪を避ける人間と言えると思います。


②は、悪を悪と認識しているが、しかしその悪を積極的に行う人です。こういう人は、悪というものがどれだけ罪なのかという事をある程度認識しているものの、悪の誘惑に負けてしまう、あるいは悪への開き直りがある人だと言えます。


例えば、タバコを歩きながら吸っているとします。そろそろ終わりになり、適当に捨てられる場所を探したものの、見つからず、仕方なくポイ捨てしたとします。この人は、探す意欲があったということから、ポイ捨ては悪しき行為であるとの認識はしていたものの、しかし、ポイ捨てという楽な選択をしたことから、結果として悪を積極的に行ったことになります。


③は、悪を悪と認識できず、当たり前のようにその悪をしてしまう人です。こういう人は、ある意味、感受性が低い人で、指摘や注意をされても、なかなか理解できない場合があります。ですから、見方によっては、②の人よりやっかいな人であり、悪の種類によっては、存在自体が凶器になる場合があります。


例えば、今学校などでいじめがありますが、先生にいくら注意されても、いじめを止めない生徒がいるとします。こういう生徒は、いじめという行為に対して、悪しき行為であるという認識がかなり希薄と言えます。相手が苦しんだり、悲しんだり、落ち込んだりしても、その様子を見て楽しんでいる傾向にあり、いじめを悪しき行為というよりは、むしろおもしろい行為と認識する傾向にあります。


「かごダッシュ!」が、なぜ今世間でまかり通っているのか、と言えば、②と③の人間が増えてきていて、自分だけは捕まらないだろうとの甘い認識に立っているからだと思います。友人もやっている、度胸試しでやっている、未成年なのでお酒やタバコは盗むしかない、等々、様々な理由が挙げられているようですが、要は、善悪の判断ができなくなっているから、と言えます。


今、殺伐とし混沌とした社会ですが、善悪が分からない人間が、蔓延しています。若い世代に限らず、大人世代にも、これくらいは許されるだろう的な悪しき行為をする者が増えています。大人世代は、自分達の襟を正し、子供世代の模範となる行動をした上で、子供世代に注意・指摘を通して、善悪を教えていかなければなりません。何が善で、何が悪なのか、それをしっかり教えていくことが、「かごダッシュ!」撲滅の一歩と考えますが、いかがでしょうか?



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