『僕は、こんな父親にはなりたくない。』

『僕はこんな教育者にはなりたくない。』

そう思って生きてきた。

父親を、
ずっと、
ずっと、
否定してきた。

父は昔、
教員になりたての頃、

10万円くらいしかない給料の、
5万円を、

お金に困っている
自分が担任する生徒にあげてきた。

と、母親が呆れて話してた。

僕は、
そんな父親を、
すごいと思った。

誇らしと思った。

そんな人間になりたいと思った。

それが、

僕の生き方の
見本になっていることに最近、

気づいた。

その見本から、
僕の《夢》と《理想》は、
育っていった。

もちろん、

父は、
僕の《夢》と《理想》の
存在では無かった。

当たり前だ。

だってそれは、
僕の《夢》と《理想》なのだし、

その《夢》と《理想》は、

どんどん、
ぐんぐん、
成長していたからだ。

だけど、
僕は、

そんなことには気付いていない。

そうだとは、
知らない。

だから、

どんどん、
ぐんぐん、
父親を否定する。

自分の《夢》と《理想》を
父親にあてはめて、

「何で今のあなたは、そんな人なの？」

と、否定する。

どんどん、

ぐんぐん、

否定する。

僕は、
自分の《夢》と《理想》を、

他人に、擦りつけてた。

父親に、擦りつけてた。

その、《夢》と《理想》は、

僕の、

将来のなりたい自分、

僕の、

《夢》と《理想》なのに。。。

父親は、
僕の、
なりたい自分の

《夢》の種を、
《理想》の種を、

しっかりと

僕に渡すという、

役割を、担ってくれていた。

父親とは、
そういう存在なのかもしれない。

僕は、どんな種を、
子供達に、渡せるのだろう？

それは、
きっと、

僕の、
《夢》と《理想》を
遥かに越える、

大きな大きな、
《夢》と《理想》に、

成長するに違いない。

そんなバトンを、

そんな種を、

僕は父親から、
受け取っていたんだ。

希望の種をくれて、
ありがとう。

《夢》と《理想》という
大きな実を付けるために、

過酷な環境下でも、
枯れないように育つように、

絶望感を与えて
強くしてくれたこを、

心から感謝します。

お父さん。