ソーシャルスタイル理論とは、効果的なコミュニケーションを行うための手法として取り入れられているコミュニケーションの理論で、米国の産業心理学者のD・メリル氏らによって1968年に提唱されました。
この理論によると、人のコミュニケーション・スタイルは「感情表現」と「自己主張」の強弱によって「ドライビング」「エクスプレッシブ」「エミアブル」「アナリティカル」という、4つのタイプに分類されます。
ソーシャルスタイル理論で分類される4つのタイプについて、それぞれの特徴をご説明します。
ドライビング(前進型・行動派)
エクスプレシッブ(直感型・感覚派)
エミアブル(温和型・協調派)
アナリティカル(分析型・思考派)
1.ドライビング(前進型・行動派)
ドライビングとは、一言でいえば迅速かつ合理的に仕事を進めるタイプです。
ドライビングな人は、感情表現があまり強くなく、合理的に物事を達成していく傾向にあります。
ビジネスライクな性格で、プロセスよりも結果を重視し、決断力に優れています。
ドライビングタイプはリーダーシップのある経営者に多いタイプとされ、具体的な行動傾向としては以下のようなものが挙げられます。
・冷静で人からの指示を嫌う
・物事の道理を捉え、選択決定が早い
・自分の道は自分で決める
・戦略立案や勝負事への興味が強い
2.エクスプレシッブ(直感型・感覚派)
エクスプレッシブとは、一言でいえば周りから注目されることを好むタイプです。
エクスプレッシブな人は、感情表現が豊かで、自ら先頭に立って人を率いていく傾向にあります。
どこにいてもノリが良く、トレンドに敏感で新しいことにも積極的に取り組みます。
エクスプレッシブタイプは賑やかなムードメーカーに多いタイプとされ、具体的な行動傾向としては以下のようなものが挙げられます。
・自分の話をすることを好む
・理屈にこだわらない迅速な意思決定ができる
・他人の意見や考えを気にする
・周囲を巻き込んだ行動が得意
3.エミアブル(温和型・協調派)
エミアブルとは、一言でいえばどこにいてもみんなの調停役になるタイプです。
エミアブルな人は、周囲の気持ちに敏感で、自分の話をするよりも相手の話に耳を傾ける傾向にあります。
いつも明るく、自分のことよりも組織全体の調和を重視します。
エミアブルタイプは、穏やかな気配り上手に多いタイプとされ、具体的な行動傾向としては以下のようなものが挙げられます。
・聞き上手で親しみやすい
・選択や決断には入念な下調べと時間をかける
・周りの意見を大事にする
・リスクを取ることは避ける
4.アナリティカル(分析型・思考派)
アナリティカルとは、一言でいえば周囲を観察・分析するタイプです。
アナリティカルな人は、普段はあまり感情を表に出さず、自分が話すよりも聞き手側に回る傾向にあります。
独特の価値観や雰囲気を持っている人が多く、データの収集や分析に黙々と取り組みます。
アナリティカルタイプは、周囲に影響されにくいマイペースな人に多いとされ、具体的な行動傾向としては以下のようなものが挙げられます。
・冷静で自立心が強い
・情報やデータを重視し、客観的な事実にもとづいて選択する
・時間管理がきっちりしている
・リスクを取ることは避ける