20ミリシーベルトは危険か安全か
こんにちは、心のソムリエ 橋本文隆です。
政府は年間被曝20ミリシーベルトで安全と言います。
小佐古内閣官房参与は危険だと抗議し、辞任しました。
国会でも「危険だ」「安全だ」「場当たり的だ」「場当たり的でない」などとやり合っていますが、不毛な議論です。
なぜ安全と考えるのか、なぜ危険と考えるのか、それを示さなければ、解決志向になりません。
<ここからは私の想像ですが>
この違いの背景は、学説の違いにあるように思われます。
ある学説では、放射線を浴び続けると、微量であっても蓄積すると考えます。
継続的に蓄積されていくわけですから、ほんの少しでも浴びない方が良いと考えます。
20ミリシーベルト浴びれば、1ミリシーベルトに比べて、20倍ガン発生率が高まると考えます。
別の学説では、ある一定量までは放射線を浴びても健康に影響がないと考えます。
地球上には常に放射線がありますし、地域によって高いところと低いところがあります。
放射線の高い地域が格別にガンの発生率が高いわけでもありません。
したがって、あるレベルまでの放射線であれば、問題ないと考えます。
解決志向で対話するには、このような背景の違いや前提を把握することが必要になります。
例えば、微量でも蓄積するとするという考えに立てば、「絶対安全」という基準はなく、リスクを確率的に把握した上で、ある一定のリスクで基準を設定することになります。
外部被曝だけでなく、水や食物などによる内部被曝も加算されて蓄積されるため、どうしても全体的に基準を低く低く抑えようとします。
一定量までは放射線に危険はないという立場であれば、絶対安全と考えられるレベルで、基準を設定することも可能になります。
水や食物などによる内部被曝を加算しても、一定レベル以下であれば問題ないと考えるので、高めの基準を考えるようです。
このような考え方の違いを明確にし、対策の根拠を論理的に語れば、解決に向けたもっと実のある議論ができることでしょう。