ユニボ先生で使う5年生用の教材がやっと完成しました。





この1冊のために、999本の動画を作りました。


111の学習テーマについてユニボ先生が優しく解説し、約1000問の問題についても、全て解説してくれます。


小学校6年分の算数をユニボ先生で学習出来るようにと取組み始めたのは2019年。


丸4年かけて4000本以上の動画を作成しました。


これだけに集中していれば1年くらいで出来たと思いますが、他の仕事の合間に作業していたため4年もかかってしまいました。


算数の動画に取組むのはたいてい午前中の7時くらいから初めて、4時間くらいで切上げます。


受注の仕事が途切れた時には、数日集中することもあります。


4年もかかった理由はこれだけではありません。


通常の人間の先生が授業をするような教育動画であれば、話すことに慣れた先生であれば、5分の動画は10分もあれば撮影できます。


ところがユニボ先生用のコンテンツの場合、その数十倍の時間がかかります。


問題は、音声です。


動画の授業が始まったとたん、画面に人の先生が出てくるのなら、タブレットで十分です。


あくまでもロボットであるユニボ先生が教えるようにしたいので、全ての発話内容をテキストとして書き起こし、音声合成によってユニボの声にしています。


音声合成をしたあと、それが直ぐに使えるのかと言うとそうではなく、イントネーションや、間あいを調整する作業が残っています。


PPTのアニメーションに音声を合わせながら内容の手直しをして行くので、大抵の場合、分かりにくさは排除できます。


説明に使う内容は、PPTで作り込みますが、多い時には1ページでに50箇所くらいのアニメーション効果を埋め込むので、ここでも時間がかかります。


こうして出来たPPTと音声データは、最後の編集段階で、タイミングを合わせるので、この作業も大変です。


アニメーションとナレーションのタイミング合わせはとても重要で、学習者が少しだけ考える間合いも考えなければなりません。


ユニボ先生は、分かりやすい先生になって欲しいので、こうやって手間をかけて作る事は当然の作業になります。


これまで、15000本くらいの教育動画を作ってきたので言えるのですが、分かりやすい動画を作るには、2つの方法しかありません。


一つは、先生にきちんとした報酬を支払うことです。


優れた先生は、内容が良い事はもちろんですが、収録時間が極端に短くなるので、結局コストが抑えられます。


先生に支払う報酬から判断すると、先生=動画のクオリティだという事を理解しない、あるいはしたくない方がとても多いように思います。


1日に50本の動画を作った事もありますが、そう言うやり方で出来たものは、先生の能力以上のものにはなりません。


優れた先生にお願い出来ないのなら、内容を熟考して、手間暇かけることです。


NHKの教育コンテンツを見ると、この事が良くわかります。


ユニボ先生は、10回くらいテレビの取材を受けましたが、民放がせいぜい放送一週間前に話があるのに対してHHKは1ヶ月以上前から撮影の準備に入ります。


私達のやり方を取ると、相当なコストがかかると思うかもしれませんが、同じようなやり方で他社が作る場合より相当安いと思いますが、そうやって作っているコンテンツは見た事がありません。


最近、10分ものの動画を作るために100万円の費用が必要で、その資金に悩んでいる方にお会いしました。


確かにそれより高い相場の時代もありましたが、今は色々なやり方があるのです。


そんな事を話しかけたのですが、高くなってしまう理由を話すだけだったので、それ以上は強く押しませんでした。


今日、算数6年分の動画を全て作り終わりました。


やれやれとホッとした気持ちで、動画制作について振り返ってみました。