クラシック・ギターをやりながらも、ずっと気になっていたのがスチール弦が張られたアコースティック・ギターです。

 

40年くらい前に、ラリー・コリエルやアル・ディ・メオラが弾いていたオベーションの音を聴いた時、クラシックギターとは違う音の魅力を感じたのでした。

 

特にラリー・コリエルが使っていたスーパー・アダマスは、見た目のインパクトも凄くて、いつか手に入れたいと思っていました。

 

最近、時々立ち寄る横須賀の楽器店でアダマス2を見つけました。

 

アダマス2は、比較的新しい楽器で、ラリー・コリエルが弾いていたスーパー・アダマスとは異なる音がするようです。

 

それでも、オベーションのギターは、形状や使っている材料から来る、唯一無二の音がします。

 

ただ、アダマスの古いものは、プリアンプが壊れると修理出来ないと聞き、躊躇しているうちにアダマス2は店頭から消えていました。

 

縁がなかったという事ですね。

 

クラシックギターは50年近くやっていても、アコースティックギターについてはさっぱりわからないため、買うべきかやめるべきか悩みながらアコースティックギターの勉強を兼ねて数件の楽器店をまわっているうちに、魅力を感じたのがフォルヒでした。

 

フォルヒはチェコのメーカーで、FURCHと書きます。

 

FURCHだけ見ると、どのように発音していいかわかりません。

 

実際、アメリカ人はこの発音が苦手なようで、アメリカでは stonebridge というブランド名で販売されているようです。

 

いくつかのラインナップがあり、形状や材質などによって、イエロー、レッド、カスタマイズ可能なレインボウなど、色で区分しています。

 

結局購入したのですが、私が手に入れたのは中古で、島村楽器オリジナルで何本か作ったレインボウに分類されるギターです。

 



ギターを購入するのは、ヤマハのサイレントギターを除くと、20年ぶりくらいなので、なかなかテンションが上がりました。

 

フィンガーピッキングに向いていると言われているので、クラシックギターに馴染んでいる人には向いているようです。

 

ネットで探しても、フィンガーピッキングの素晴らしい動画がたくさん見つかります。

 

形状は、ハイポジションが押さえやすいカッタウェイを選びました。



 

表面版はシダーで、サイドとバックはローズウッドが使われています。

 

クラシックギターの表面版は、シダー(杉)とスプルース(松)が使われることが多く、アコースティック・ギターも、材質による音の特徴は同じで、シダーは良く歌わせられるような甘い音がします。

 

細かくみていくと、ロゼッタの部分やヘッドなど、とても丁寧に作られている事が分かります。






 

中に貼られたラベルは、よく見ると薄い木が使われていることが分かります。



 

ペグは標準ではゴトー製が使われるようですが、このギターには嬉しいことに精度の良いシャーラーが付いていました。



 

ケースは、頑丈なヒスコックスの専用モデルが付属していました。





 その頑丈さは圧倒的で、大人が6人(約500㎏)が載っても中のギターは壊れないらしいです。

 

その分重くて、留め金も5か所あって、取り扱いはやや面倒です。

 

ヒスコックスはクラシックギター用に1つ持っているのですが、その重さが嫌で、別のケース(BAM)を使っています。

 

高音の3本の弦の響きは繊細で、伸びも良く、単音を鳴らすだけでも頬が緩みます。



 




対して低音弦は、低音弦で歌わせることが多いクラシックギターの深く音量がある響きと異なるのですが、アコースティックギターとしてはなかなかクリヤで響く音になっているようです。

 

ネックが細く、扱いに慣れるまで時間がかかりそうですが、響きが良いソロ曲を選んで楽しもうと思います。