起業家を応援する書籍やブログはたくさんあります。
成功に近づける、あるいは失敗しないためのノウハウやアドバイスがたくさん書いてあり、有難いことです。
起業に関して今更私が書いてもしょうがないのですが、時々「こんな人は起業しない方がいい」という内容で書きたくなることがあります。
起業した結果、うまくいかない人を見ることが少なからずあるからです。
今回は、そんな話です。
会社を作って18年目になりますが、振り返って見ると、戴いた話を断った記憶がほとんどありません。
受けた結果、上手くいかなかった事は多々ありました。
その中には、詐欺に巻き込まれたことも2回ありました。
ひとつは、やった仕事に対しての支払いが無く、実は間に入った会社が詐欺を働いていたというもので、もうひとつは、私の知らないところで私の会社を利用して架空取引を行い、不正を働いていたという内容です。
前者は200万円弱の損害があり、後者は、具体的な損害はなかったのですが、担当の刑事も来て、大変不快な思いをしました。
こういう事も含めて、それでも会社が立ち行かなくなるほどダメージを受けた事はなく、むしろ経験値が上がった事が多かったと思います。
経験値の中には、この会社、あるいはこの人と付き合うのはやめよう、というものもあります。
性格的には、どういう話でも「やる」という前提で考えるタイプです。
「やる」と言う前提で考えても、当然、壁となる事は出てきます。
壁が見えたら、どうしたら壁を乗り越えられるかを考えます。
一つの壁を乗り越えるアイデアが見つかると、次の壁が立ちはだかります。
陸上競技に例えるなら、100メートル走ではなく、110メートルのハードル走のようなものです。
ハードルをすべて飛び越えられるわけではなく、いくつかはバタバタと倒しながら走っていく感じです。
ただ、不思議なもので、後に表れる壁は、ほとんどの場合最初の壁よりは低く感じられます。
これを繰り返すことで、壁はどんどん低くなります。
やるかやらないか悩んだ時、「やる」前提で考え始めると様々な工夫が生まれます。
「やらない」前提で考え始めると何も生まれません。
大成功どころか小成功すらしていない分際で言うのも何ですが、少しでも前に進めると思った事は、まずは「やる」と言う前提で考える事が大切だと思います。
その結果、「やらない」と結論を出してもいいのです。
問題は、考え始めるときに、「やらない」と言う気持ちを持たないことです。
「やってみるぞ」という気持ちで考え始めるか、「やらない」「できないだろうな」と思いながら考え始めるのかで、思考の仕方が変わってくることは想像できるかと思います。
ただ、これは性格にもよるので、変えることは難しいかもしれません。
爆笑問題の深夜放送「今週の思っちゃった」のコーナーのように、思っちゃったんだからしょうがない、ということはありますから。
起業を考えている人は、仕事に限らず、迷うことがあったとき、自分はどちらから考え始めるタイプなのかを想像してみて下さい。
「やらない」あるいは「できそうもない」という前提で考えはじめる人は、起業は向かないと思います。