最近はネット経由で映画を観ることが多くなり、映画館に行くことが少なくなりました。

 

映画館に行くのは、作品を早く観たい時と大音響で音に包まれながら観た方が楽しめそうな場合です。

 

音の洪水のような立体感のある音響はスカッとします。

 

よく行く映画館は、御徒町にあるTOHOシネマで、ここはChristie社のヴィヴ・オーディオスピーカーを使っているようです。

 

音は圧倒的で、観ている時の没入感は満点です。

 

それでも、いつも感じる残念な事があります。

 

それはエンドロールの時のブラスと弦の音です。

 

ブラスは楽器があるピンポイントの位置から、ラッパの口径がわかるような音を出して欲しいのですが、その口径が直径数メートルあるように聴こえてしまうのです。

 

オーディオ的な表現で、「ボーカルの口が巨大になってしまう音」と言うのがあり、やっぱりボーカルは、そこに立って歌っているように聴こえた方が自分もそこにいるかのように感じながら聴くことができます。

 

弦の音は、ビロードのような滑らかさを持ちながら、配置がわかるような広がりを持って欲しいのですが、映画館では、ベタッと平板に聴こえてしまいます。

 

おそらくオリジナルの音はそうなっていると思うので、この点では、音にこだわったホームシアターの方が良い音かもしれません。

 

家で聴く音は、音楽でも映画でも、一人に最高の音が届けば良いのですが、映画館では広い空間の中で全ての席の人に等しく良い音を届けなければならないと言う使命があるので、この違いが音楽がクローズアップされるエンドロールで表れてしまうのでしょう。

 

実際ヴィヴ・オーディオは、高音質のリボンツィーターを並べた、ライン・アレイ・スピーカーを使っていて、館内の隅々まで均一に良い音を届けることが目的で設計したようです。

 

私の使っているマーチンローガンのコンデンサースピーカーは、良い音で聴けるポイントが1箇所しかなくて、そこを外れると定位感の悪いぼやけた音になってしまいます。

 

 

 

こうなると、音響効果と音質の両立ができそうなホームシアターに興味が出てしまいますが、ハマると大変そうなので、ほどほどにしておこうと思います。