1冊の本を手にした瞬間、小屋を作りたい衝動に駆られて、そこから土地を購入するまでは、3ヶ月くらいだったと思います。
20代後半、今から35年くらい前の事です。
まだ収入も少なく貯金も50万円くらいしか無く、半年後には1人目の子供が生まれるという状況でしたが、なんとかなるだろうと思い、白馬ライフという別荘地の物件情報誌を頼りに、自転車で走り回って土地を探しました。
そう。その頃は、まだ運転免許を持っていなかったのでした。
一体、どうやって材料を運ぶつもりだったのか思い出せませんが、やりたい一心だったのだと思います。
素人ながら図面を書いて、それを元にホームセンターで2〜3時間、材料のメモを取っていたら店長に声を掛けられ、事情を話したところ、「うちで材料を買ってくれるなら、浅間の土地まで運んであげましょう」と言っていただき、3.6メートルの長い材料を中心に運んでいただきました。
なんとかなりました。
やっぱり車は必要だと思い、免許を取ってからは、金曜の夜中に移動して日曜の夜遅くに帰ってくるということが、数年続きました。
作るためのノウハウは持っていな買ったので、本を読んだり、家を建てている現場を見せてもらったりして、これもなんとかなりました。
小屋作りは面白くて、35年経った今でも作り続けています。
最近、テレビや雑誌で、自分で小屋を作ったり、家を建てたりする事例を見ることが多くなりました。
やりたいけど、自分でできるのかな?と思っている人もいるでしょう。
技術的にはなんとかなるものです。
足を使えば安くて良い土地はあるし、材料だって、最近はびっくりするくらい安く手に入ります。
車1台を5年ローンで買うつもりで、それを小屋作りに回せばなんとかできるくらいなので、とんでもなくお金がかかるわけではありません。
私の場合、会社から5年返済で200万円を借り、後は毎月少しずつ材料や工具を買って、150坪の土地込みで250万円ほどで形になりました。
最近は木材が安いので、もっと少ない資金でできるでしょう。
小屋作りを始めて、完成まで続けるために必要なのは、少なくとも技術ではありません。
一番必要なのは、フットワークでしょう。
通勤に片道車で2時間以上かかっていましたが、22時過ぎに家に着いてから、子供たちはパジャマに着替えさせ、夜中の1時くらいに浅間の小屋に着くということを毎週のように繰り返し、数年続けても何ともありませんでした。
思いついたらすぐ動く、どんなに疲れていても、どんなに時間がかかってもすぐ動けるフットワークの良さを持っていれば、後はなんとかなるものです。
これが無いと、途中で挫折するかもしれません。