私の会社は、教育コンテンツ開発を主な業務としています。
最近は建設業界の教育コンテンツに集中していましたが、やっていて面白いのは小学生や中学生向けのコンテンツです。
学校の先生も含めると、それこそ数えきれない人が取り組んでいる内容に新たな視点で切り込むというのは、かなりハードルが高く、思ったようにいかないだけに、やりがいがあります。
最近、ある仕掛けで膨大なコンテンツ作成に挑戦したくなり、小学校算数の教育指導要領を見直してみました。
指導要領は学年ごとに取り組むべき内容が整理されているのですが、教育コンテンツを作る場合、学年を横断して分析する必要があります。
指導要領を見ながら、分数や小数などのテーマごとに指導内容をまとめる作業を、ちょっとイライラしながら進めていました。
たとえば、分数というテーマ一つとっても、指導すべき内容が、学年を横断して分断されています。
指導要領のまとめ方を見ていると、1つのテーマの学習が終わると、「はい、あなたの学年は、ここまで理解できれば十分、この続きは1年後ね」と言っているように思えます。
そこから自分流に整理すればいいので、まとめ方はどのようになっていてもいいはずですが、そのまとめ方の根底にはコンセプトが見えるはずです。
「分数ってどんなものかわかった。この次はどんなふうになるのだろう。」という物事を追求する探究心を奪っているように見えます。
学校に準ずる必要のない塾での中学受験指導も、大手の実施する模擬試験に対応するには、分断されたカリキュラムに付き合うしかありません。
3年生のうちに6年生の内容までやるなんて無理、という見方もあるでしょうが、少しずつ積み上げていくやり方には変わりはないので、無理とは言い切れません。
何より、1つのテーマを深める事により、基礎が積み上がって高度な内容が構築されてく面白さを体験させることができます。
こういったカリキュラムで9年間という長い時間の教育をするということは、もっと世界的に活躍できる人を育てる面では、足を引っ張っているように思えます。
今考えている教育サービスは、ここに突破口をつくれるかもしれません。