加藤唐九郎作「永仁の壺」(行方不明のほう)がカラーで出ているというので「原色陶器大辞典」(淡交社)を取り寄せました。

 

 

全頁を探したのですが、残念ながらこれには掲載されていませんでした。

 

調べなおしてみると、「新撰陶器辞典」(日本工業図書出版所)の増補版(志摩書房)を出版するにあたり用意された、推薦文などが書かれた6ページ程度の内容見本の表紙に「永仁の壺」が載っていたのでした。

 

私が手に入れた「原色陶器大辞典」の発行は昭和47年で、「永仁の壺」が重要文化財指定を解除されたのが昭和36年ですから、掲載されるはずは無いですね。

 

ところで、「原色陶器大辞典」は、1000頁を越える大作です。

 

ぱらぱらとめくって拾い読みするだけで加藤唐九郎の陶器研究に対する情熱のすごさが伝わってきます。

 

この本の後ろには、出版情報が和紙に印刷されてはってあり、「一ム」の押印がありました。

 

 

「永仁の壺」事件を起こして一切の公職を辞した加藤唐九郎が、それ以降、昭和55年頃まで銘として使っていた「一無斎」の「一ム」ですね。