「プリディスティネーション」という映画を観ました。

 

 

タイムパラドックスをテーマにした映画です。

 

この映画はたまたまスカパーでやっていたので見ただけなのですが、その展開にはちょっと驚きました。

 

半分以上は、未来から来た時空警官(イーサン・ハート)が、バーにいた「男」の数奇な運命の話を聞くという内容です。

 

その「男」は、相当ショッキングな人生を歩んできたので、話の内容は面白いのですが、どちらかというと映像的にも地味で退屈な内容になっています。

 

タイムマシンものにある、ハデなシーンはありません。

 

話がどこに向かうのかも見えないので、途中で観るのをやめてしまう人も出て来そうです。

 

私も時々意識が飛びながらも、我慢して見ていると、最後に、これまでのエピソードを畳み掛けるようにつないでいく展開になりました。

 

「男」がたどってきた悲惨な人生が、ここにきて、全て「無駄なく」意味を持ってきます。

 

退屈だった前半には、無駄なものは一切なかったことに気がつきます。

 

この展開が始まると、「え、どういうこと?」という疑問が続き、目が離せなくなります。

 

突っ込みどころはたくさんあるはずなのですが、いったいどこを突っ込んだらいいのかさっぱりわかりません。

 

鶏が先か、卵が先かというループが至る所にしかけられていて、どこから考えたらいいか分からないのです。

 

ネットを調べてみたら、出来事の前後関係をみごとな図にして整理している人がいました。

 

ここまできちんと整理するかと思うくらい素晴らしい図なのですが、それを見ても、ループしてしまいさっぱりわからない。

 

メビウスの輪の上を、つなぎ目を探そうと歩き続けるような感覚です。

 

推理小説でも映画でも結末を知ってから見るのが好きなのですが、この映画はネタバレなしで観たほうがいいです。

 

見る人の混乱を狙った映画だと思うのですが、そこを楽しむつもりで観ると、衝撃的な凄い映画です。