秋葉原駅の近くにある日本百貨店には「菊水酒造」さんのお店があります。
ここで行われた酒育セミナーには2回ほど参加し、それから時々立ち寄るようになりました。
お店にはお酒だけではなく、面白い酒器なども売っています。
ありそうでなかなか出会わないのが「べく盃」と呼ばれる酒器です。
一度お酒を注いだら、飲みきるまでは下に置くことができないタイプの酒器です。
たとえば、底が円錐状になっている盃は、下に置くことができません。
漢字では「可盃」と書いて、「べくはい」と読みます。
「可能」つまり、「~すべく」の「可」ですね。
調べてみると、漢文では「可」の文字は必ず文頭に付き、決して下に置かない字なので、そこから「可盃」と書くようになったようです。
「菊水酒造」さんのお店で見つけたのは、お座敷遊びで使えるような酒器です。
天狗の盃は、一見して下には置けないことがわかります。
ひょっとこの盃は、口の部分に穴が空いていて、その部分を指で押さえておかないと、お酒がこぼれ出てしまいます。
おかめの盃は下には置けますが、容量が少なくなっています。
陶器でできたコマが付いていて、この側面には盃の種類が書いてあります。
これを回して、出た盃でお酒を飲む、という遊びですね。
お酒の弱い人にとっては、おかめが当たり、つぎがひょっとこ、外れは天狗ということですね。
どの盃も容量が少ないため、危険な一気飲みより、よほど安全なお遊びができそうです。