お酒というものは、そのものの味の良し悪しというのももちろんありますが、よほど不味いお酒で無い限り、たいていの場合は、飲む状況によって美味しいと感じるか、不味いと感じるかが左右されると思っています。

  

親しい人と飲むお酒は会話がメインになりますから、お酒の良し悪しは関係なく、楽しく美味しいお酒を飲むことができます。

 
夏の日中、汗だくになって歩いたあとの一杯目のビールは、味よりものど越しでしょう。

 

体の芯まで冷える夜に、飛び込んで入った居酒屋で、銘柄は何であれ熱燗は堪えられません。

 

逆に、大吟醸の素晴らしく美味しいお酒でも、お店の対応が悪かったり、お店の雰囲気をが悪いと、お酒の美味しさも半減します。

 

嫌なことを忘れたいと思って飲むお酒は、味よりも度数が大切かもしれません。

 

下の娘夫婦が、伊香保旅行のお土産にと、お酒を買ってきてくれました。

 
 両毛三山である、赤城、妙義、榛名を名前にしている3本のお酒です。

これは、そのうちの1本。

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榛名山は、高校のときに20キロ近い荷物を自転車にくくりつけ、汗だくになって上った、思い出深い山です。

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合の飲みきりサイズなので、瓶の蓋をあけて、瓶ごと90度くらいの熱湯に入れて燗をしました。

1合瓶は、瓶がお銚子代わりになって、お手軽に燗酒を楽しめます。

ああ、うまい。

体にしみるなあ。

 

若い頃は、お土産を買ってくるというのは出費だと思うのですが、それでも私がお酒好きだということを覚えていてくれ、買ってきてくれたと思うと、美味しいお酒がさらに美味しくなります。

 

お酒というのは、そんなものではないでしょうか。