日本ではまだ公開されていない映画、「EX MACHINA(エクス・マキナ)」を見ました。
店舗ではみつけられなかったので、ブルーレイをamazonで購入しました。
この映画は、人工知能を搭載したアンドロイドのお話です。
以下に、結末は書いていませんが、多少のネタバレがあります。
主な登場人物は、次の4人だけです。
主人公は、googleをイメージできる世界的な検索会社「ブルーブック」でプログラマーとして働くケレイブ。
その会社の社長は、広大な山奥のモダンな自宅で隠遁生活をしているネイサン。
そして、ネイサンによって作られたアンドロイド、エイヴァ。
もう一人重要な役割を果たす人物がいるのですが、これは触れないほうがいいでしょう。
ケレイブは、ネイサンの別荘で1週間過ごす権利を獲得して、ヘリコプターでネイサンの家に向かいます。
そこで待っていたのは、優雅な休暇ではなく、エイヴァに対するチューリング・テストでした。
チューリング・テストというのは、イギリスのアラン・チューリングが考えたもので、相手が人間であるか人工知能であるかを見極めるのが目的のテストです。
姿が見えない相手(人間と人工知能)と対話して、対話した人が、相手を人工知能であるとは思わなかった場合、その人工知能を「人工知能」として認める、というものです。
チューリング・テストは相手が見えないことが前提なのですが、映画では、ケレイブはエイヴァの姿を見ながら対話を始めます。
だんだんとエイヴァがケレイブに質問することが多くなり、そのうちにどちらがテストを受けているのかわからなくなってきます。
ケレイブは、もしかしたら自分がアンドロイドなのではないか、という疑問を持ち、自分の腕を剃刀で切って、中を確認します。
このあたりから、ストリーがどこに向かうのかがわからなくなってきます。
ネイサンの家は、各部屋が厳重に管理されていて、与えられたキーカードで移動できる範囲しか行動できず、エイヴァに至っては、廊下に出ることもできない監禁生活状態です。
ネットもつながらない環境にいる、人間以上の知能を持ったエイヴァ。
この状況は、エリエゼル・ユドカウスキーの行った、「AIボックス実験」と重なりました。
人工超知能が現実のものとなり、人類の脅威となることがわかったとき、果たしてその人工超知能を隔離し、閉じ込めておくことができるだろうか、ということを試した実験です。
ユドカウスキーは天才的な人物ですが、人工超知能にははるかに及びません。
ユドカウスキーは看守の見守る小部屋に入ります。
看守は、どんなことがあってもユドカウスキーを部屋から出さない、というのが役割です。
その状態で、ユドカウスキーは、その部屋から出ることができました。
どんな手を使ったのかは明らかにされていません。
これの結果は、人工超知能であれば、人間が考えもつかない手を使い、閉じ込められた状態から脱出できることを示唆しています。
映画の中で、エイヴァは、ケレイブに恋愛感情を抱き、ケレイブもエイヴァに特別な感情を抱くようになります。
ああ、人間がアンドロイドに恋をする話なのか、と思っていたらまったく異なる展開が始まります。
そして、身震いするような結末が訪れます。
この衝撃は、エイヴァがケレイブととってきた行動や発言を思い出すと、さらに恐ろしいと感じます。
8Kで撮影したという美しい映像と、どちらかというと、遅いテンポの映画は、結末をいっそう引き立てる効果を出しています。
「エクス・マキナ」は、人工超知能の脅威、つまり人間の知能をはるかに超えてしまった人工超知能の恐ろしさを見事に描き出していました。
実は、購入したブルーレイは、英国版で、日本語字幕が無く、英語が得意でない私としては、非常に疲れました。
スペイン語版を購入すれば、日本語字幕がついていたらしく、失敗でした。
それでも、なんとか楽しむことができたのは、「チューリング・テスト」とユドカウスキーの「AIボックス実験」について少しだけ知っていたことが助けになったからでした。
ご覧になる方は、この2つをネットで調べておくと、さらに楽しめると思います。
それにしても、この映画はなぜ日本で公開されないのでしょうか。
店舗ではみつけられなかったので、ブルーレイをamazonで購入しました。

この映画は、人工知能を搭載したアンドロイドのお話です。
以下に、結末は書いていませんが、多少のネタバレがあります。
主な登場人物は、次の4人だけです。
主人公は、googleをイメージできる世界的な検索会社「ブルーブック」でプログラマーとして働くケレイブ。
その会社の社長は、広大な山奥のモダンな自宅で隠遁生活をしているネイサン。
そして、ネイサンによって作られたアンドロイド、エイヴァ。
もう一人重要な役割を果たす人物がいるのですが、これは触れないほうがいいでしょう。
ケレイブは、ネイサンの別荘で1週間過ごす権利を獲得して、ヘリコプターでネイサンの家に向かいます。
そこで待っていたのは、優雅な休暇ではなく、エイヴァに対するチューリング・テストでした。
チューリング・テストというのは、イギリスのアラン・チューリングが考えたもので、相手が人間であるか人工知能であるかを見極めるのが目的のテストです。
姿が見えない相手(人間と人工知能)と対話して、対話した人が、相手を人工知能であるとは思わなかった場合、その人工知能を「人工知能」として認める、というものです。
チューリング・テストは相手が見えないことが前提なのですが、映画では、ケレイブはエイヴァの姿を見ながら対話を始めます。
だんだんとエイヴァがケレイブに質問することが多くなり、そのうちにどちらがテストを受けているのかわからなくなってきます。
ケレイブは、もしかしたら自分がアンドロイドなのではないか、という疑問を持ち、自分の腕を剃刀で切って、中を確認します。
このあたりから、ストリーがどこに向かうのかがわからなくなってきます。
ネイサンの家は、各部屋が厳重に管理されていて、与えられたキーカードで移動できる範囲しか行動できず、エイヴァに至っては、廊下に出ることもできない監禁生活状態です。
ネットもつながらない環境にいる、人間以上の知能を持ったエイヴァ。
この状況は、エリエゼル・ユドカウスキーの行った、「AIボックス実験」と重なりました。
人工超知能が現実のものとなり、人類の脅威となることがわかったとき、果たしてその人工超知能を隔離し、閉じ込めておくことができるだろうか、ということを試した実験です。
ユドカウスキーは天才的な人物ですが、人工超知能にははるかに及びません。
ユドカウスキーは看守の見守る小部屋に入ります。
看守は、どんなことがあってもユドカウスキーを部屋から出さない、というのが役割です。
その状態で、ユドカウスキーは、その部屋から出ることができました。
どんな手を使ったのかは明らかにされていません。
これの結果は、人工超知能であれば、人間が考えもつかない手を使い、閉じ込められた状態から脱出できることを示唆しています。
映画の中で、エイヴァは、ケレイブに恋愛感情を抱き、ケレイブもエイヴァに特別な感情を抱くようになります。
ああ、人間がアンドロイドに恋をする話なのか、と思っていたらまったく異なる展開が始まります。
そして、身震いするような結末が訪れます。
この衝撃は、エイヴァがケレイブととってきた行動や発言を思い出すと、さらに恐ろしいと感じます。
8Kで撮影したという美しい映像と、どちらかというと、遅いテンポの映画は、結末をいっそう引き立てる効果を出しています。
「エクス・マキナ」は、人工超知能の脅威、つまり人間の知能をはるかに超えてしまった人工超知能の恐ろしさを見事に描き出していました。
実は、購入したブルーレイは、英国版で、日本語字幕が無く、英語が得意でない私としては、非常に疲れました。
スペイン語版を購入すれば、日本語字幕がついていたらしく、失敗でした。
それでも、なんとか楽しむことができたのは、「チューリング・テスト」とユドカウスキーの「AIボックス実験」について少しだけ知っていたことが助けになったからでした。
ご覧になる方は、この2つをネットで調べておくと、さらに楽しめると思います。
それにしても、この映画はなぜ日本で公開されないのでしょうか。