LPレコードを整理していたら、ちょっと面白いものが出てきました。

 

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ロスアンヘレスとレナータ・タラゴが共演した「Spanish Folk Songs」というアルバムです。

 

アンダルシア、カステーリャ、カタロニアなどの地方のフォークソングが、25cm盤に8曲収められています。

 

録音時期ははっきりしませんが、おそらく1948年にBBCで78回転盤用とLP用に録音した物ではないかと思います。

 

ビクトリア・デ・ロス・アンヘレスは、1923年にスペインのカタルーニャ地方で生まれ、2005年に亡くなったソプラノ歌手です。

 

レナータ・タラゴは1927年にバルセロナで生まれ、2005年に亡くなった女流ギタリストです。

 

1958年に録音したアランフェス協奏曲は、女性のギタリストの録音としては最初のものと言われています。

 

ギターは、音楽家であった父から教わりました。

 

父親はミゲル・リョベートに師事し、ロスアンヘレスにも音楽教えた事があるようです。

 

 

そのレナータが、ロス・アンヘレスと共演したアルバムというのは、なんとも興味深いものです。

 

1948年の録音だとすれば、2人とも20代。

 

ロス・アンヘレスは1947年にジュネーブ国際音楽コンクールで1位になり、レナータ・タラゴも、14歳で公の場で演奏し、学業終了後の1944年にはバルセロナ音楽院の助教授を約束されていたと言われます。

 

そう考えてみると、声楽とギターという2つの音楽界で注目を浴びている若手の共演という、話題性のあるアルバムだったのかも知れません。

 

ギターを弾く方にはよく知られた、カタロニア民謡「アメリアの遺言」が最後に収録されていて、ギター伴奏の編曲も素晴らしく、ギター二重奏で聴いてみたくなりました。

 

こういうアルバムを聴くと、ギターと声楽の相性の良さを感じます。

 

そう言えば、ロス・アンヘレスはギタリストの鈴木一郎さんとも何度か共演していまた。

 

探してみたら、こんなアルバムが出てきました。

 
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「ヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレスとの出会い・鈴木一郎」というタイトルです。

 

ロス・アンヘレスの名前はありますが、内容は鈴木一郎さんの広い交流関係から生まれた、オムニバス・アルバムです。

 

 

レオ・ブローウェル(ギター)、西田直孝(フルート)、マクサンス・ラリュー(フルート)、林まり子(ピアノ)、ハンス・マリア・クナイス(リコーダー)らとのデュオアルバムから抜粋したものに、ロス・アンヘレスとのライブ(1984年)から8曲を加えた内容です。

 

ロス・アンヘレスとのデュオは、ホールトーンが強めで、ロス・アンヘレスの声には張りがあります。

 

先のアルバムから36年経っているだけあって、貫禄というか余裕が感じられます。

 

ギターは音量のある楽器、たとえばピアノのような楽器と組み合わせると、どうもギターの美音が表現できにくい気がしています。

 

弾き語りと言えばすぐに歌とギターと思い浮かべられるように、声とギターの組み合わせはなかなかいいものです。