これは、ギタリスト福田進一さんのデビューアルバム(LP)です。
パリ国際ギターコンクールに優勝した1981年の2年後の1983年の録音となります。
はじめて福田進一さんの音楽を聴いたとき、そのフレッシュさに驚きました。
どの曲も、それまでに聴いたことがない解釈でありながら、わざとらしさを感じません。
強弱の幅、力を入れるところと抜くところなど、ダイナミックな音楽は大変魅力的です。
この印象は、30年以上たった最近のアルバムを聴いても変わることがありません。
私自身はセゴビアの音楽や音が大好きなので、福田さんの音楽とはだいぶ違うと思うのですが、納得できる音楽の世界を聴かせてくれているという点では、どちらも同じです。
アルバムには、プレトリウス、ソル、ドビュッシー、ハンド、ポンセ、ウォルトンと、非常に幅のある時代をまたがる曲が収められています。
とくに、F.ハンドの「ギターのための5つのスタディより第2番」は、ギター音楽の新しい世界と可能性を見せてくれた演奏で、大好きな曲になりました。
この時使っているギターは、ヤマハのものですね。
録音は、東久留米にある「聖グレゴリオの家」で行われました。
昔、レオ・ブローウェルの演奏を聴いた思い出深い協会です。
響きの良さが録音にも表れています。
こちらは、同じ内容のCDです。