9月11日(金)
読売日本交響楽団のメトロポリタン・シリーズを聴いてきました。
プログラムは次の内容でした。
<第1部>
ムソルグスキー:交響詩「禿山の一夜」(原点版)
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲
<第2部>
ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」
指揮:シルヴァン・カンブルラン
ピアノ:小曽根 真
ロシア音楽の名曲をたっぷり楽しめる内容で、期待して芸術劇場に足を運びました。
会場内は超満員です。
カンブルラン氏は、生演奏では初めて聴きます。ここ3年ほど、読響のコンサートばかり行っているので、自分でも意外でした。
びっくりしたのが、彼の姿と指揮ぶり。
よく見かける上半身の写真からはもっと恰幅の良いスタイルで、地味な指揮ぶりだと勝手に想像していたのですが、正反対!
姿はスタイリッシュで、指揮ぶりもまるで華麗にダンスをしているようでとて、もちろん演奏もすばらしく、とても楽しめました。
「禿山の一夜」の原点版は、アバドの演奏で初めて接した曲で、よく演奏されるコンパクトで無駄のないリムスキー・コルサコフ版より演奏時間が長く、野生的で迫力があります。
CDで聴くのと違って演奏会では目からの情報が加わるので、曲の複雑さが良くわかり面白く聞くことができました。
「展覧会の絵」の「古城」では管楽器の美しさに引き込まれ、ラヴェルのすごさを感じました。
最後の盛り上がりはすさまじく、これ以上音量は上がらないだろうというところからもう一段音量が上がる体験は久しぶりです。
今回の読響は、特に管楽器と打楽器がいつもよりも切れがありました。演奏が終わってカンブルラン氏が真っ先に立たせたのはトランペットで、これは納得です。
小曽根氏のパガニーニの感想は最後になってしまいましたが、実はこれがすごかった!
小曽根氏は世界的なジャズ・ピアニストとして知られています。
ジャズのピアニストがクラシックを演奏するというのは、正直、余興的なんだろうなと先入観を持っていたのですが、とんでもない間違いでした。
クラシックのピアニストが楽譜をつきつめていくアプローチとは違うのかもしれませんが、テクニックがすばらしいし、とにかくライブの演奏として楽しませてくれる技術を持っています。
小曽根氏が初めてクラシカルなコンサートを行ったのは2003年のようですが、ここ数ヶ月の間だけでも、ショスターコーヴィチやプロコフィエフのピアノ協奏曲の演奏会が予定されているのを見ても、レパートリーの広さと取り組みの本気さがわかります。
キース・ジャレットの例をみても、ジャズとクラシックの両方で優れた演奏をする人はいるわけで、まさしく小曽根氏はその一人でした。
天才ですね。
第22、23変奏のカデンツァ部分では、ジャズピアニストらしさを見せてくれ、一味違う曲になりました。
それにしても、第18変奏の曲の美しさは奇跡的です。思わず涙がでました。
第20変奏からは、ピアニストにとっては、相当の体力が必要になるはずです。
ここからの小曽根氏のパフォーマンスはすごく、演奏が終わったとたん、ブラボーと大拍手の嵐!
これに応えたアンコールは、ブルース!
打楽器から一人、コントラバスから一人を呼んでの演奏。
ガーシュウィンをはじめ聴いたことがあるメロディーが出てくる即興演奏で、パガニーニの主題が顔を出すなど、粋な演奏でした。
読響の二人もJAZZしてるなあというパフォーマンスを見せてくれ、意外な驚きがありました。
今回の演奏は、久しぶりに大当たり!
いい気分だったので、もちろんその後は、一人余韻を楽しむお酒で〆ました。
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