5月29日、池袋の芸術劇場で行われた、ユーリ・テルミカーノフ指揮、読売日本交響楽団のコンサートに行ってきました。



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テルミカーノフがロイヤル・フィルと録音しているアルバムは、勢いと繊細さを併せ持っているものが多く、好きな指揮者の一人です。


2年前の同じ時期に、この組み合わせで、素晴らしい「春の祭典」を聴いているので、今回もとても楽しみでした。




プログラムは次のとおり。


<第1部>

・リムスキー=コルサコフ作曲「シェヘラザード」


<第2部>

・ラベル作曲「左手のためのピアノ協奏曲」

・ラベル作曲「ダフニスとクロエ」第2組曲


ピアノは、河村尚子さんでした。


「シェヘラザード」は圧巻で、リムスキー=コルサコフのすごさを味わえました。


この曲はヴァイオリンの独奏が活躍し、普通はそれをコンサートマスターが努めます。


このときは、日下紗矢子さん。


この演奏は見事で、美しい音がオーケストラをバックに映え、おとぎ話である「シェヘラザード」の魅力を見事に表現していました。


ライブでこの曲を聴くのは初めてではないのですが、楽器間のかけあいなど、視覚的な面白さもたっぷり堪能できました。


ラベルの「左手の・・・」は、戦争で右手を失ったピアニストのために書いたもので、実際の演奏でも左手だけで弾かれます。


これも見事な演奏でしたが、見ていて疲れないのかな、と心配になりました。


ピアノが主役の部分ではもちろんピアノが引き立つのですが、オーケストラの強奏部分では容赦なくフルオーケストラのパワーが炸裂するので、ピアノがさっぱり聞こえません。


そんな部分では、ピアノも技巧的に弾いているので、それが聴こえないのはちょっと残念でした。


前回も感じたのですが、テルミカーノフの指揮は、とてもかっこいいです。


グアン、と響かせるような箇所で大きく円を描くような指揮ぶりは、実際にオーケストラから出てくる響きと指揮振りがマッチしていて鳥肌がたちました。


「ダフニスとクロエ」の終曲が終わったときに、心臓がバクバクしていたので、腕につけていたApple Watchで心拍数を計ってみました。


通常65くらいなのに、なんと122!


心臓に悪い演奏です。


演奏後、テルミカーノフがオーケストラ全員を立たせる場面で、誰一人として言うことを聞かない場面がありました。


これは、指揮の素晴らしさに団員すべてがテルミカーノフに賛辞を送った表現です。


こういう1シーンを見ても、テルミカーノフは読響に好かれていることがよくわかります。


演奏の素晴らしさに加えて、温かい気持ちにさせてくれたコンサートでした。



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