5月1日、オペラシティーで開催されたイヴリー・ギトリスのコンサートに行ってきました。




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ギトリスは、なんと92歳!


現役のヴァイオリニストの中でも、オリジナリティあふれる演奏をするということでは、トップクラスです。


愛弟子の日本フィルのソロコンサートマスターを務める、木野雅之氏との共演もあるプログラムです。


プログラムは、次の通り。


<1部>

J.S.バッハ/G線上のアリア

J.S.バッハ/2つのヴァイオリンのための協奏曲

<2部>

トーク・セッション

マスネ/タイスの瞑想曲

サン=サーンス/ハバネラ

J.S.バッハ/ヴァイオリン協奏曲第2盤ホ長調

<アンコール>

ギトリス/浜辺の歌変奏曲


指揮:ヴァハン・マルディロシアン

日本フィルハーモニー交響楽団


木野氏に腕をささえられて舞台に登場したギトリスは、歩き方こそキビキビはしていなかったのですが、椅子に座り、ヴァイオリンを扱う動きは非常にキレがあり、ちょっとびっくりしました。


ヴァイオリンのヘッドを支える指示器具を使いながらも指さばきは素晴らしく、年齢を感じさせませんでした。


音程が外れる場面は多かったのですが、音はオーケストラから浮き出る透明度があり、晩年のセゴビアのコンサートを思い出しました。


この音程のズレですが、面白いことに、ソロで弾いた「浜辺の歌変奏曲」ではまったく感じませんでした。


トークセッションは、あらかじめ聴衆から質問事項を集めておいて、これに答えるという形式のもので、音楽ジャーナリストである池田卓夫氏が司会を務めました。


ヴァイオリンを習っている小学生の質問では、小学生を舞台にあがらせ、真剣に答えるという場面もあり、ギトリスの人柄が感じられ、心温まりました。


心温まる、という言葉は、このコンサートの一つのキーワードです。


バッハのコンチェルトの楽章の合間でなかなか調弦が決まらないギトリスに対して、愛弟子の木野氏がそばに歩み寄ってペグを回してあげるという場面が2回ほどあり、ほほえましい光景でした。


全体を通して何度も愛のある笑いが会場からあふれ、普通では体験できないコンサートでした。


会場の8割くらいは、そういうギトリスのファンだったのではないでしょうか。


トークセッションの最後に「年齢は問題に思ったことはないか?」という質問に対する、「本人が年齢を問題だと意識するまでは問題は存在しない」という言葉は、非常に深い意味がありますね。


この余韻を楽しむため、ひとり、HUBに飛び込んでビールを味わいってから帰りました。


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