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アンドレ・プレヴィン指揮 ロンドン交響楽団 17分13秒
録音:1978年7月14日 ロンドン、アビーロードスタジオ======================================================
重量級の「ボレロ」で、好きな演奏です。
おそらくマルチマイクだと思いますが、すべての音が存在感を持ってしっかりと聞こえてきます。曲の初めから音量があり、各ソロがはっきりと聞こえるため、「ボレロ」の魅力の1つであるソロの妙技と音色をしっかりと楽しむことができます。弱音器つきトランペットも実に明瞭に響きます。
バランスよく響くホルン+ピッコロ+チェレスタのあとのトランペットのリズムも明快で、全体的にトランペットがいいです。
バイオリンが旋律を奏でティンパニが加わる4部(「ボレロ」は全体を5部に分けることができる)から音量増加が始まります。音量増加のスイッチはティンパニの強打がその役割を果たし、増加後つぎの音量アップまではティンパニの音量は控えめになります。この効果は抜群で、ロンドン交響楽団のパワーと相まって、どこまで音量が上がるのか、ちょっと怖くなるくらいです。
ハ長調の主和音になだれ込む前のタメはたっぷりで、演奏会ではブラボーの嵐になることが想像できる演奏です。
ソロの妙技、リズムに回った楽器群の動き、音量増加による効果など、「ボレロ」の魅力を味わうには最適の1枚だと思います。