土曜の朝、ポスティングされていた横須賀芸術劇場のチラシに「新イタリア合奏団」のコンサート情報が載っていました。




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ヴィヴァルディの「四季」をメインに据えたバロック音楽のプログラムでした。


なかなか良いプログラムだったし、ぜひ聴いてみたい合奏団だったので、早速チケットセンターに電話してチケットを確保しました。


名前からわかる通り、「新イタリア合奏団」の前身は「イタリア合奏団」で、紹介文によると、「21世紀への新たな飛躍を求めてメンバーを一新」ということでした。


調べてみると、ヴァイオリンのフェデリコ・グリエルモ氏とカルロ・ラザーリ氏の2名以外が入れ替わっていました。


フェデリコ・グリエルモ氏は、コンサートマスターで、今回のコンサートでもソロを担当していました。


プログラムは、次の通り。

<第1部>


ヘンデル:合奏協奏曲ト長調 op.3-3 HWV314

テレマン:フルートとヴァイオリンのための協奏曲ホ短調TWV52:e3

J.S.バッハ:ブランデンブルグ協奏曲第5番ニ長調BWV1050

<第2部>

ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集「四季」Op.8-1~4


バロック期を代表する4人の作曲家を並べた、バロック音楽を一度に俯瞰できる面白いプログラムです。


イ・ムジチの初期のアルバムや、カラヤンの「四季」などは、比較的オーソドックスな演奏でしたが、ある時期から、過激でスリリングな演奏が登場するようになりました。


ルネサンス音楽の優雅さから脱皮したバロック音楽は、今でいうとロック音楽が登場したときに相当するくらいの衝撃を聴衆にあたえたはずで、カルミニョーラやビオンディがソロを弾いている「四季」では、その過激さを味わうことができます。


もっと前の12世紀の音楽の過激さとは異なり、確立されていった音楽の約束事の中で演奏者のアドリブの面白さを楽しめるバロック期の音楽は、クラシックの中でも特にスリリングなジャンルだと思います。


そのスリリングさが味わえる代表的な曲が、ヴィヴァルディの「四季」です。


このスリリングな感じを楽しもうと思うと、指揮者がその場を仕切る演奏では物足りません。


指揮者がいない新イタリア合奏団は、どうでしょうか?


結果は期待通り。


フェデリコ・グリエルモのソロは、アドリブ感たっぷりで、それに合わせる他のメンバーの演奏も、ダイナミックレンジが広く、最後まで緊張感を持って聴くことができました。


嬉しかったのは、コントラバスのフランコ・カタリーニ氏のパフォーマンス。


楽しそうな演奏ぶりに加えて、ステージに登場する時や、退場する時の愛嬌たっぷりのパフォーマンスは、聴衆のかなりの人数を「新イタリア合奏団」のファンにしたのではないかと思います。


「四季」は、とても馴染みやすいメロディーのために、イージーリスニング的に扱われるくらいポピュラーになった曲ですが、新イタリア合奏団の演奏を聴いて、ヴィヴァルディの「疾風怒濤」の一面を再認識させられました。





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