クラウディオ・アバド指揮 ロンドン交響楽団 14分20秒
録音:1985年6月 ロンドン、Watford town Hall
グラモフォン 4150972-2
======================================================
アバドは1933年生まれですから、このボレロが録音された時には51歳か52歳ということになります。1979年にロンドン交響楽団の首席奏者になり、ロンドン交響楽団が世界のトップクラスのオーケストラになったころに当たります。
小太鼓の音が、皮の音というより、縁をたたいているように聴こえます。
インテンポで始まったボレロも、トローンボーンのソロが終わった管楽器のトゥッティあたりから、徐々にテンションを上げていきます。全合奏になるとすべての楽器が最大音量を出している迫力は凄まじいものがあります。
そして圧巻は、335小節目から。管楽団員数十人が、トロンボーンの2拍目と3拍目のグリッサンドに合わせて雄叫び をあげるのです。楽器は口がふさがっているので当然無理でしょうから、叫んでいるのは弦楽器奏者でしょうね。あまりの興奮状態に雄叫びを上げたというのが 通説ですが、相場ひろ氏のブログには、ヴィクトール・デ・サバタがミラノ・スカラ座でボレロを演奏させるときに、トロンボーンのグリッサンドに合わせて楽 団員に歌わせたとあり、決して興奮のあまり叫んだのではなく、アバドもサバタのように演出したのだろうというのが私の感想です。
いずれにしても、この効果はホール全体が揺れるような効果をあげたらしいので、なんとかしてそな生演奏に触れてみたいものです。