LPレコードには、システム・チェック用レコードというものがあります。
システム全体のパフォーマンスをチェックできるのですが、プレーヤーのトーンアームの調整に使うのが主目的です。
針ををレコードの上に落とすと、ターンテーブルが回転しているために、トーンアームは内側に動こうとします。
レコードの溝はV字型になっていて、V字の2つの面がステレオの左右のチャンネルに対応しているため、トーンアームが内側に引っ張られると、左右のチャンネルのバランスが崩れてしまいます。
そこで、一般的なトーンアームには、内側に引っ張られる力に対抗して外側に力を加える、インサイドフォース・キャンセラーという機能がついています。
トーン・アームだけでも調整はでき、それを信じていました。
久しぶりにシステム・チェック用レコードを取り出して解説を読んでいると、インサイドフォース・キャンセラーを調整するためのトラックが用意されていることを知りました。
幅1.5㎝くらい、まったく溝が切ってないトラックがあります。
現在のインサイド・フォース・キャンセラーの設定で針を落としてみると、トーンアームはあっという間に内側に移動してしまいました。
トーンアームの調整機能は、精度よく働いていなかったのですね。
針を落とした位置に留まるようにインサイドフォース・キャンセラーを調整してみました。
チェック・レコードには、他にも針圧調整用や位相チェック用など、いくつかのトラックが用意されています。
盤面をよく見ると、特徴的な溝が切られているのがわかります。
カートリッジメーカーとして有名な、オルトフォンも、PICK UP TEST RECORD というチェック・レコードを出していました。
このレコードのB面に入っているチェック用のいくつかの演奏は録音が素晴らしく、改めてアナログ・レコードに収録されている情報量の多さに驚きます。
アナログ・レコードの再生は奥が深いです。
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