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ジャン・マルティノン指揮 シカゴ交響楽団 13分41秒

録音:1966年3月21&31日 シカゴ、オーケストラ・ホール

タワーレコード:

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ジャン・マルティノンは1910年にフランスのリヨンで生まれた指揮者です。


マルティノンが江戸っ子的な気風の良さを見せ、ゴールに向けて一直線に颯爽と突き進む「ボレロ」です。


一直線と言っても一本調子ではなく、むしろピーッと引いた直線の左右に揺れながら、随所でフレーズの歌わせ方をコントロールしています。これほど旋律に強弱をつけている「ボレロ」を聴いたのは初めてです。


演奏もさすがスーパーオーケストラと言われるシカゴ交響楽団です。ソロはもちろん、全奏になっても余裕たっぷりで、自在に弾きまくり、吹きまくります。


チェレスタは音の定位感抜群で、左からチャーミングにキラキラと聞こえてきます。


完璧な音楽職人集団を感じさせる演奏で、こういう「ボレロ」を演奏会で聴いたなら、きっと卒倒してしまうでしょう。


1963年から1968年に音楽監督として就任したシカゴ交響楽団時代は、マルティノン自身が「思い出したくない苦難の時代」と語っていた時期です。


不遇だったと言われるこの時代のマルティノンを全く想像できない超名演です。


幻の音源と言われた録音で、これを発売してくれたタワーレコードには感謝です。タワーレコードは、こういう音源を出してくれるので目が離せません。



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ジャン・マルティノン指揮 パリ管弦楽団 14分55秒

録音:1974年
EMI

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Vergin CLASSICSから出されたフランスものを集めた4枚組のコンピレーション・アルバム「La folie francase!」に収録されていたものを聴きました。(上のジャケットは、同じ音源のEMI盤です)



シカゴ交響楽団で見せたような、フレーズの強弱を大きくつけるような場面はぐっと少なくなりましたが、それでもここぞというときに絶妙な歌いまわしが登場します。


シカゴ交響楽団の演奏より1分ほど遅いテンポになっていて、はじめはゆっくりだなと感じますが、徐々にそのテンポが心地よくなり、後半では「これがボレロのベストテンポ」と思わせるような説得力を持ちます。


このパリ管弦楽団との演奏では、特にトローンボーンが素晴らしい!

トランペットのキレもよく、行ったことはないけれど、パリのシャンゼリゼの華やかさが目に浮かび、ルノアールの絵画のように心地よい光を感じる演奏です。


ホルン、チェレスタ、ピッコロの部分もバランスが良く、特にピッコロにうまさが際立っています。


管楽器も弦楽器も打楽器も素晴らしく、全奏になってからも、全楽器がその腕前を披露してくれる演奏です。


シカゴ交響楽団の演奏とは甲乙つけがたい、お気に入りの1枚です。




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