JRの線路を挟んで「聖」と「性」が対峙している鶯谷は、東京でもディープなエリアです。
猥雑な駅周辺を過ぎれば、江戸情緒の漂う根津がすぐそばです。
私にとっては、上野のスタジオから日暮里のオフィスまで戻るときに使う駅という位置づけですが、それが夕方のいい時間だと、ちょっと一杯ひっかけていく場所でもあります。
いつものようにお店に入ると、ハイボールと電気ブランのストレートを注文しました。
電気ブランは浅草の神谷バーで出される、ちょっと怪しいリキュールです。
度数は25度とたいしたことはないのですが、その怪しさからか、けっこう酔ってしまいます。
こんなときには、チェイサーとして水をもらって交互に飲むという方法があります。
電気ブランの場合はこれがちょっとハードで、通は生ビールをチェイサー代わりにして飲みます。
私の場合は、生ビールがハイボールに変わります。
「ハイボールと電気ブラン、ストレートで!」
出てきた電気ブランをちょっと口に含んで、ハイボールで薄める。。。
酔うための飲み方ですね。
そうやって飲んでいると、右のほうから視線を感じました。
私が座っていたL字コーナーの片側で飲んでいた30歳くらいのお客が声をかけてきました。
「あのー、電気ブランって何ですか?」
一通り知っていることをお話してから、
「ちょっと飲んでみますか?」と私のコップを差し出しました。
「うわーっ。これは変わった味ですね。」
でも、くせになりそう、と付け加えて、その男性も、電気ブランのストレートを注文しました。
その男性は、出張で長野からやってきたとのことでした。
いろいろ話しているうちに、私がほしかった情報を持っていることがわかり、仕事の話や趣味の話、生き方の話など、たっぷり2時間話し込んでしまいました。
電気ブランは、東京の、しかも浅草エリアで飲めるローカルなお酒です。
そのおかげで、知らない方と、楽しい時間を過ごすことができました。
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