シューベルトの「死と乙女」のアルバムを探していたら、ウェルザー・メスト指揮、カメラータ・アカデミカ・ザルツブルグの演奏を見つけました。



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ウェルザー・メストは、ジョージ・セルが完璧なアンサンブル集団として鍛えたクリーブランド管弦楽団の音楽監督を務めている若手指揮者(と言っても50歳代ですが・・・・)です。


「死と乙女」のオリジナルは弦楽四重奏(そのオリジナルは歌曲)で、メストのアルバムはマーラーが編曲した版です。


これがすごい!


弦楽四重奏であれば、各パートの思い入れをそのまま演奏として表現できますが、合奏となると同じパートが複数いるので、それを統率してまるで1本の弦楽器が演奏されているように表現するのは並大抵のことではないはずです。


これを、メストは見事にやってのけています。


よく聴けば若干の演奏の乱れは見えるものの、ピアニシモからフォルティシモ、あるいはその逆の表現が、大変なダイナミックレンジを持ちながら、うねるように表現されています。


あまりにもダイナミックレンジが広いので、出だしが聴こえないからと言って音量をあげておくと、あとであわてることになります。


もともと、「死と乙女」はドラマチックな曲で、弦楽四重奏として完璧に均整のとれた曲です。


聞いた限りでは、マーラーの編曲は、各パートの楽器数を増やし、コントラバスを加えた程度だと思います。


そのせいか、オリジナルを知っていると感じる、編曲ものだという感じは受けません。


オリジナルのドラマ性を、さらに増幅した形で見事に聴かせてくれるこのアルバムは、おすすめです。


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