初めて自分でLPレコードを買った中学生のころ、カラヤンというのは、なんだかとてもすごい指揮者らしいけれど、変な響きの名前だなあ、なんて思っていました。
確かに、カラヤンはクラシック界の「帝王」と言われるスーパースターのポジションを獲得した指揮者で、実力も「帝王」にふさわしものでした。
そんな指揮者ですが、つい最近まで、私のライブラリには、カラヤンのアルバムは30枚前後しかない状況でした。
なんだか、豪華に塗りたくったような、重戦車のような印象が強く、遊びがあったり、キリリと締め付けるような緊張感を求め、録音ものではあっても一期一会のような出会いを期待してアルバムを探しているので、どうしても手がのびないのでした。
最近、BOXセット物が随分と安く手に入るようになったので、私もカラヤンの1960年代の録音や、EMIへの録音などをまとめて購入してみました。
特にEMIのBOXのうち、フィルハーモニア管弦楽団やウィーンフィルとの録音は、手兵ベルリンフィルのように自由コントロールしている感が少なく、カラヤンでさえ、オーケストラと格闘している様子が垣間見え、とてもフレッシュな気分で音楽を聴くことができます。
スタジオ録音もので聴いてしまうと、完璧を狙って作りこんだ演奏に思え、立派だなあ、美しいなあと思えても、ついシェルヘンのベートーヴェンのほうが面白いと思ってしまいます。
よく言われる爆演タイプの指揮者とはカラヤンは対極にあると思っていましたが、若いころの演奏やライブ録音を聴くと、本当はカラヤンこそが、隠れ爆演指揮者の筆頭じゃあないかと疑ってしまいます。
最近話題の1978年のライブ(ベートーヴェンとストラビンスキー)もすごかった!
そういえば、チェリビダッケも、若いころの演奏は勢いがあって、「くるみ割り人形」のような聴きなれた曲でさえ、興奮させてくれます。
晩年のカラヤンの演奏は、なかなか手が出ないのですが、帝王になるまでのカラヤンの演奏は、何が飛び出すかわからない楽しさがあります。
そんな楽しみのあるCDが88枚詰まって一万円足らずで買えるなんて、いい時代になったものです。
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