アタウルフォ・アルヘンタという指揮者のアルバム「エスパーニャ」を聴きました。



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1957年というだいぶ前の録音ですが、デッカがその録音技術の優秀さを示すために力を入れた録音だけあって、今聴いてもその素晴らしいサウンドには驚かされます。


シャブリエの狂詩曲「スペイン」は、こんなに楽しい曲なんだと再認識させてくれる演奏であるし、リムスキー・コルサコフの「スペイン奇想曲」は、大好きなコンドラシンの演奏に匹敵する名演だと思います。


アルヘンタは、サルスエラを中心にコロムビア・レコードにたくさん録音したらしいのですが、現在では多くを目にすることはありません。


アルヘンタは1913年にスペイン北部の海岸の町で生まれました。


指揮者として本格的に活動を始めたのは1945年にスペイン国立管弦楽団の指揮者として就任してからで、そのわずか12年後、「エスパーニャ」を録音した1957年頃は、まさしく指揮者としてこれから活躍していく時期だったようです。


そんな時期に、アルヘンタは事故でなくなりました。


死因は自動車の排気ガスによる、一酸化炭素中毒。


車好きの彼は、自宅に帰り、シャッターを下ろしたガレージで、車のエンジンをかけたまま眠り込んでしまったのでした。


あまりにも、残念な、もったいない死に方です。


同じようにこれからという時期に事故で無くなった指揮者として、グィド・カンテッリとイシュトヴァン・ケルテスの二人があげられます。


カンテッリは36歳の時に飛行機事故で、ケルテスは43歳の時、公演先のイスラエルで海水浴をしている最中に高波にさらわれて命を落としました。


アルヘンタもカンテッリもケルテスも、寿命をまっとうしたらどんなに素晴らしい演奏を残しただろうと想像すると、本当に残念でなりません。



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