10月18日に文京区のシビックホールで、小林研一郎さんの指揮でベルリオーズの幻想交響曲を聴いてきました。
オーケストラは、読売日本交響楽団です。
この曲は、作曲家本人が平常ではなく、まさしく幻想の世界をさ迷い歩いているような時期に作曲したものです。
「狂気を持ってホールに来てください」という小林研一郎さんの言葉通り、平常心を忘れるような気持ちの高ぶりを期待してもいい曲です。
小林研一郎さんは、この曲を得意としているだけあって、後半の楽章は特に熱演でした。
コントラバスを中心として、ゴリゴリしたような低音の響きが印象的でした。
それまでは、この曲を好んで聞いてはいなかったので、一気に興味が湧いたのですから、コンサートに行ったのは正解でした。
手元には、10種類くらいのCDを持っていましたが、新たに購入して、20種類ほどの演奏を集中して聴いてみました。
期待していなかった度合いに反してよかったのが、オッテルローの演奏。
大変キレのある演奏で、音楽の仕組みがよく見え、この曲のすごさを再認識させてくれました。
あとは、月並みですが、ミュンシュとクリュイタンスの演奏が、狂気という点では飛びぬけて面白く聴けました。
どちらも数種類の録音が残されていますが、2人ともライブ盤がトンでいました。
ミュンシュは、1967年のパリ管とのライブ、クリュイタンスは1964年の東京文化会館でのパリ管を振ってのライブ。
ミュンシュの振る第5楽章は、出だしのコントラバスの演奏がおどろおどろしいさが突出していて、その後ははミュンシュの大声に煽られてオーケストラが破綻しそうになりながらも猛突進するのがすごい!
オーケストラが崖を転げ落ちていくような迫力があります。
クリュイタンスは、ラベルなんかを聴いていると、とてもお洒落な演奏をする紳士、という印象だったのですが、ライブになると違うんですね。
迫力はミュンシュに負けていなくて、クリュイタンスをとる人も多いんじゃあないかと思います。
ほかにも、カラヤン、ケーゲル、クレンペラー、サロネン、ワルター、コリン・デイビス、アンセルメ、モントー、バルビローリ、マルケビッチ、バーンスタイン、パレー、小澤征爾、ロジェストヴェンスキー、カサドシュ、シルヴェストリ、クリップス(あとはわすれた・・・)などなど聴き比べましたが、狂気を味わいたいなら、今のところはミュンシュとクリュイタンスだけあればいいかな、という結論になりました。
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