「シェルター」という本があります。

1973年にアメリカで出版された本で、著者はロイド・カーンという人です。

ハンドビルドの家やその建築技術に関する情報をまとめた大型の本です。



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シェルターというと、核兵器から身を守るための対核シェルターを思い出しますが、もともとは、ヒトが外界の様々な危険から身を守るためのものでsじた。

原始の頃のヒトにとっては、洞窟がシェルターでした。

そこから出て生活エリアを広げるためには、洞窟に変わるシェルターを自力で作らなければなりません。

シェルターを作る材料は、住んでいる生活圏から手に入るもので工夫するしかないので、木があれば木を、なければ土や石や氷、時には動物の革などを使って作ります。

そこには、信仰など、信じるものへの考え方も反映されることも多く、そこから文化を読み取ることもできます。

アフリカのドゴン族の村はその密集度を写真で見ると圧巻です。

彼らは、面白い考え方で生きています。

あの世、つまり「来世には現世よりもいい生活が待っていることはない」という考え方でです。

来世は現世とそっくりで、今が金持ちあれば来世も金持ち、今が貧乏であれば来世も貧乏であると考えています。

ただし、来世でも現世と同じように粟やタマネギを育てていて、実をつける木も育てているのですが、その実はもっと色鮮やかで、つやつやしています。

そうでないと、「死者が来世にいることにを気がつかないから」です。

わかりやすく面白い考え方です。

「シェルター」は、こんなことも書かれているので、あるページを開いてそこを読むだけで、自分の今はこれでいいのだろうか、と考えさせられてしまいます。

この本の中でとても好きな写真があります。

斧を振り上げる若い女性の写真です。


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これから原野を開拓し、家を建てるのでしょうか。

表情が素晴らしく、その土地で生きていくために自分の力で切り開いていくんだという強い生命力とその喜びが感じられる1枚です。

こういう開拓精神を持ちながら生きたいものです。