6月29日の土曜日。
川口リリアホールであった、プラハ放送交響楽団のコンサートに行ってきました。
スメタナ 「モルダウ」
ショパン 「ピアノ協奏曲第2番」
ドヴォルザーク 「新世界」
という、ボヘミアがテーマの選曲です。
指揮はオンドレイ・レナルトで、ピアノは、あの、ブーニン。
ホールに行くと、なぜかまだ開場していません。
時刻はとっくに開場時間をすぎています。
だいぶ待ってから開場したのですが、入れるのはロビーまで。
いったい何があったんだろう?
ブーニンがごねたのかな?
開演時間が来て、やっと席に着くことができました。
開演は15分ほど遅れる、というアナウンスがありました。
ところが20分を過ぎても始まらない。
とうとう、
「いつになったらはじまるんですかー?」
「関係者はせつめいしなさーい!」
と叫ぶお客さんもあらわれ、会場からは拍手。
これに呼応して、
「みなさん、静かにまちましょうよ。」
とさけぶ女性もあらわれ、これにも拍手。
私はこんなハプニングも含めてライブだ、と思うほうなので、開演が遅れたことより、その理由に興味津々。
やっぱり、ブーニンがらみじゃないかな、もしそうだったら、おそらく第2部の「新世界」を第1部でやっちゃうだろな、なんて予想していました。
案の定、1部は「モルダウ」と「新世界」に変更。
さて、演奏です。
ホールのせいなのか、耳が慣れないせいなのか、はじめは弦の音がやや硬質に聴こえ、あれれと思いましたが、そんなことは置いておいてもやっぱり、「モルダウ」はいい曲ですね。
1滴の水が集まって細い川になり、それがだんだんと水量と川幅を増し、大河となって海に出る。
そんなことをイメージすると、本当にぐっとくる名曲です。
「新世界」は、第2楽章が大好きです。
とくに、ベースラインの響きが泣けてきます。
途中、弦楽器のアンサンブルから、第1バイオリン、第2バイオリン、ヴィオラ、チェロが2名ずつになって弦楽四重奏的になり、さらにコンサートマスターとチェロの2人で二重奏となる展開は、CDではなかなかわかりにくいところです。
こういうことが視覚的に確認できるのは、コンサートの醍醐味です。
さて、第2部。
はじめに、ブーニンと責任者の二人があらわれました。
ひょろっと背の高いブーニンは、首を大きくうなだれ、まったく元気がありませんでした。
「木曜日から体調をくずし、演奏するのはきびしいけれど、なんとか1楽章からできるところまで弾いてみたい」という説明でした。
そして、曲はショパンからシューマンに変更。
ああ、よかった。
ショパンの第1番は好きだけれど、2番はあまり好きではなく、シューマンに変更になったことは大歓迎です。
ブーニンのピアノは、体調のせいか、本来がそうなのかはわからないけれど、音量が十分ではなく、特に左手の音はオーケストラの音に埋もれてあまり聴こえませんでした。
ところが、カデンツアになると、印象は一変。
ピアノ独奏なのに、まるでオーケストラも鳴っているかのように、スケール大きく聞こえてきました。
ああ、やっぱり協奏曲より、ソロで聴きたいなあ。
1楽章が終わると、会場から大きな拍手とブラボーの声援。
ブーニンは、ここで演奏を終わりにしました。
さあ、どうするんだ、と思ったら、引き続きオーケストラの演奏を続けることになりました。
ドヴォルザークの「スラブ舞曲」から2曲を演奏。
そして、演奏会は終わりました。
「スラブ舞曲」からの抜粋は、どちらかというと、アンコールに取り上げられる曲ですから、実質的には、第2部はシューマンの第1楽章だけ、ということになります。
いつもは安い席を選ぶのですが、この時はめずらしく、1万円のS席を予約。
若干、尻切れトンボ的に終わってちょっと残念でしたが、ある意味、記憶に残るコンサートになりました。
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