春になると、なぜかカメラを手に取りたくなります。
外に出たくなる陽気のせいでしょうか。
久しぶりに手に取ったカメラが、これ。
花押の文字が刻まれたレンズキャップがトレードマークの、オリンパスのPEN-FTです。
少し前に、このカメラのデザインを踏襲したデザインのデジタルカメラが店頭に並んでいたことがあったので、見覚えがある方も多いかと思います。
PEN-FTはフィルム式で、ある時代に流行った、ハーフサイズのカメラです。
ハーフサイズというのは、通常のフィルムサイズを縦に2等分して使い、たとえば24枚撮りのフィルムであれば、2倍の48枚が撮れるという、お得な規格です。
裏ぶたを開けてシャッター膜を見ると、ハーフサイズカメラであることがわかります。
モノが高かった時代に、なんとかコストを抑えようとしたアイデアです。
横長の画角のフィルムを縦に分けるので、カメラを普通に構えて撮影すると、縦長の写真が撮れることになります。
PEN-FTが優れているのは、ハーフサイズ式でありながら、レンズ交換が可能な一眼レフであるということです。
この時代の一眼レフカメラは、レンズから入った光をカメラ上部にあるファインダーまで導くために、ミラーとプリズムを使ってました。
そのため、プリズムを収めるために、カメラの上部が三角形に飛び出しているというのが基本的なデザインでした。
ところが、このPEN-FTには、そのでっぱりがありません。
巧みな光軸のコントロールで、フラットな形のまま一眼レフを実現しているのです。
レンズを外してみるとわかるのですが、普通は上に跳ね上げる方式のミラーが、横向きに動くようになっています。
絞りの合わせ方も変わっていて、ファインダー内に表示されるアナログ式のメータで示される1~7の数字を読み取って、レンズの絞りリングをその数字に合わせる、という方式です。
かつてオリンパスにはOMシリーズという小型の素晴らしいカメラがありました。
OMシリーズは、ライカのカメラ、「バルナックライカⅢf」の大きさとほぼ同じでした。
バルナックライカは、20世紀を代表するカメラマンであった、アンリ・カルティエ・ブレッソン氏も愛用していたカメラで、その大きさは理想的なサイズ、と言われていました。
PEN-FTも、ほぼこのサイズです。
花粉がもうすこし収まったら、このカメラを持って、縦長の写真を撮りに街に出たいな、と考えています。
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