このブログでも何度か書いているように思いますが、レスピーギの「ローマの松」は大好きな曲です。
だからCDもいろいろな演奏を集めていますが、この曲ほどコンサートとCDで感動の差が現れる曲は少ないのではないでしょうか。
それはレスピーギの巧みな作曲法からくるものだけではなく、別編成の管楽器を聴衆の後ろに配置して音の洪水をつくる立体的な音楽によるところが大きいと思います。
あの音圧をオーディオ装置で再現するのは難しいでしょう。
ただ、一度でもこの曲の生演奏を体験したことがある人は、CDを聴くときもその体験を思い出しながら感動を大きくすることができます。
だから、録音の良くないトスカニーニのCDを聴いても、その凄さに圧倒されてしまいます。
「ローマの松」の映像を探してみると、意外に少ないことがわかります。
トスカニーニの映像が残されていたのは幸いですが、トスカニーニ自身を映すことが多すぎて、このことがマイナスになり、CDほど感動できませんでした。
カラヤンとベルリン・フィルの演奏も映像化されていますが、トスカニーニと同様の理由でいまひとつです。
カラヤンの映像は、おそらく彼の意向が大きく反映されているのだと思いますが、あまりにもカット割りがきちんとしすぎていて、面白くないのです。
つい最近、リッカルド・シャイーのライブDVDが発売されたと知って、新宿に行ったついでにタワーレコードで手に入れました。
内容は野外コンサートで、芝生に寝そべって聴く人もいたりして、イギリスのプロムスのようなラフな楽しい雰囲気に溢れていました。
シャイーも楽しそうで、演奏はもちろん、映像としても楽しめました。
「アッピア街道」の盛り上がりも素晴らしく、目の前がくらくらしましたが、1つだけ残念なことがありました。
聴衆の後方に配置した管楽器が待機しているシーンが写っているのですが、一番盛り上がるところで、彼らの演奏シーンのカット割りがされていないのです。
おしい!
その代わりでしょうか。
ティンパニ奏者のノリに乗ったシーンがうまく挿入されていたのは拍手でした。
このDVDには、ロータやショスタコーヴィチの楽しめる曲も収められていてお薦めです。
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